【キ/ヨ】あなたに出逢えて…【短編集】 (ページ46)

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あなたに出逢えて… 2 ページ46

そして、お互い志望校に合格してあっという間に卒業式の日になってしまった。もちろん私にはキヨに自分の気持ちを伝えるなんて覚悟は持ち合わせてなかった。だけど、私自身キヨに出会えて、仲良くなれて変われた部分もあった。
だから高校での3年間で大きく成長することが出来たのかもしれない。それだけはキヨに絶対に伝えたいと思っていた。だから私は中庭にキヨを呼び出した。

「キヨ、3年間本当にありがとう。キヨのおかげで私自身変われたこといっぱいあった。これでお別れなの寂しいけど、でも私はキヨのこと…」

私が最後まで言い終わる前に、キヨは私のことを抱き締めた。

『俺だって、Aのおかげで変われた。俺だってAと離れるの寂しいんだよ…』

キヨはそう言いながら泣いていた。そして、私のことを見つめてこう言った。

『俺、ずっとAのことが好きだった。大学はお互い別々だけど、でも俺はAのこと絶対に幸せにする。』

『だから、俺と付き合ってください』

もちろん私にはそんなのを拒否するなんていう答えは一切なかった。私もキヨのことが好きだったから。

「こちらこそよろしくお願いします」

そしてこの告白の後に撮った写真がアルバムの高校の最後のところにある。中庭にあった大きな桜の木が背景にあって私たちは幸せそうに笑っていた。そんな写真を見て、なんだか幸せな気持ちになった。

『その写真懐かしいな』

「あれ、キヨ起きてたの？」

『今起きた』

そう言ってキヨは、後ろから私のことを抱き締めた。

『あの時の俺カッコ悪かったな…Aの前で普通に泣いてたし』

「でも、私に告白してくれた時のキヨほんとにかっこよかったよ」

「やっぱりキヨに出会えて良かった、いつもありがとう。大好き」

そう言って私からキヨにキスをした。

『俺もAに出会えて良かった、俺も大好き』

そう言ってキヨからキスされた。これからもずっとキヨとこんな幸せな日々が続きますようにと心の中で願った。