ずっと一緒に2 ページ18
そして卒業式の日になった。
友達はどんどん帰ってしまったが、私は最後まで教室に残って黒板の掃除をしていた。キヨが来ることを信じて。
するとキヨが私の教室に来た。
『A帰んねえの？』
「もうすぐ掃除終わるから帰るよ、なに待っててくれるの？」
『終わるまで待ってるから早く終わらせろよ』
そう言ってキヨは椅子に座って私が掃除しているところをまじまじと見ていた。
「ねえ、なんでそんなに見てくるの？」
『なんかちっちゃいなって思って』
「そりゃ女子なんだから背低くて当たり前でしょ、掃除終わったから帰ろ」
そう言った瞬間何だか暖かい感覚が伝わってきた。キヨの腕の中にいるとすぐに分かった。
『今日で俺Aの隣にいられなくなるって考えたら寂しくなってさ、気が付いたらAのことが好きになってた、俺が幼稚園の頃言ったこと覚えてる？』
「覚えてるに決まってるでしょバカ… 忘れるわけないよ…」
キヨの頬が赤くなっていった。
『やっぱり俺お前の隣にいたいって思った。だからこれからも俺と一緒にいてください。俺と付き合ってください』
「私もキヨの隣にいたいし、キヨと同じ大学じゃないって考えたら悲しくなった…
私もキヨのことが好きです。よろしくお願いします」
その瞬間優しいキスが降ってきた。
ずっと時間が止まればいいのにと願ったがそうともいかないことは分かっていた。
ずっと一緒にいてくれるって言われたのになぜか不安になった。その瞬間ずっと抑えていた気持ちが溢れ出してしまった。
『何泣いてんだよ』
そう言ってキヨは私の涙を拭ってくれた。
「やっぱりキヨがいないっていうのが信じられなくて… どうしても悲しくて…」
『会いたいって思った時いくらでも会いに来てやるから連絡しろ』
「うん…」
キヨは制服のボタンを取って私にくれた。
『これ俺の第二ボタンだから大事にしろよ』
「くれるの…？」
『当たり前だろ。好きなやつに渡そうってずっと思ってたから』
「ありがとう、キヨ」
『じゃあ帰るぞ』
そう言って歩き出した瞬間キヨと私の手が触れた。私の指にキヨの指が絡み合っていた。
キヨのおかげでこの先の生活に対してネガティブ思考になっていた私をポジティブ思考に変えてくれた。
キヨには感謝してもしきれないと思う。
きっとこれからも不安だらけだった私をキヨがその不安を無くしてくれるから。
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作者名：Selena | 作成日時：2020年4月28日 23時
