【キ/ヨ】あなたに出逢えて…【短編集】 (ページ14)

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優しさに甘えてページ14

自分の過去を思い出してしまい辛くなってしまうことが度々ある。私の過去は相当辛いことばかりで思い出す度に嫌な気持ちになる。
今日はそんな日だった。いくら疲れていても自分の過去を思い出してしまう時はいつも寝れなくなってしまう。

私は寝室を出てリビングで編集をしているキヨのところへ行ってそのまま後ろからキヨを抱き締めた。

『なんかあった？』

「なにもないけどただ寝れないだけ」

キヨは私に気遣ってくれて過去については何も言わない。落ち着いたらで良いよっていつも言ってくれる。私はキヨのそんな優しいところが好きでもある。そんなキヨなりの気遣いが嬉しかった。

『一緒に寝る？』

「いいの？」

『良いに決まってるだろ』

そう言ってキヨは私をお姫様抱っこして寝室まで連れて行ってくれた。
キヨは私を抱き寄せてくれた。そして合図かのように私の目をキヨの手が覆った。

『もしかして過去のこと思い出したのか？』

「うん…」

『安心しろ。俺はずっとAと一緒にいるから』

「ありがとうキヨ…」

そう言うとキヨは手を離し私を抱き寄せてくれた。

『おやすみA』

そう言ってキヨは私の頬にキスをした。
私を不安から解放してくれるのはキヨしかいない。キヨの優しさに今日も甘えて私は眠りについた。