I'm a fool of love for you

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珍しく残業するらしいバーノンを置いて帰って

昨日焼いたガトーショコラを飾りつけようとしていたらバーノンが花束を持って帰ってきた


ピンク色のふんわりしたかわいいお花

まさかバーノンがそんなことするだなんて思いもしなかったからびっくりした


嬉しくて、でもちょっと恥ずかしくてふざけてしまったけど

バーノンが嬉しそうな顔をするから私ももっと嬉しくなった



「じゃーん！ ガトーショコラ作ってみました〜」


ご飯を食べた後、かわいくクリームまで絞ったガトーショコラを出すとなんだかやけに感動している


「これ作ったの？すごいね」


どんなに写真映えするご飯屋さんに行っても、なに食べたよって報告のメッセージ送ってくる時も絶対に写真は撮らないバーノンが

あのバーノンが

お皿を持ち上げていろんな角度から見た後 スマホでいろんな角度から写真を撮ってる


「そんなにケーキ好きだったっけ？」

「違う いや、違うくないけど」


真剣に写真を撮りまくってる


「そろそろいいんじゃない？」

「手作りは初めてだから」

「え〜？ この前カップケーキ作ったじゃん」

先月、冷凍庫で眠ってたブルーベリー消費のために作ったカップケーキ食べてたよね

「バレンタインに手作りは初めて、だから」


え、なにその理由

かわいすぎる


「もっと食べな…」

自分用に切り分けたお皿を差し出す

「毎年 ついでにもらってたから 嬉しい」


ついで…？
あ、既製品のチョコ先輩上司にあげるついでにっていつも言ってたな確かに


「今年はバーノンのためだけに作ったよ」


確かにバーノンのために作ったけどガトーショコラにしたのは自分が食べたかったからなんて言えない


「もうずっと俺のためだけに作ってね」

「うん、バーノンも私のためだけに花束…は無理か」

「あの花はAにしかあげない」

「絶対？」

「絶対」

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