ウィスキー、ロックで

禁酒47日目 ページ47

喉乾いた


眠いけど起きなきゃ
今日って何曜日だっけ？ 休みか

起きたくないのに喉の渇きが起きろと訴える

身体があちこち痛くて起きるなと訴える

時間だけでも確認しようとスマホを探して手を伸ばす
どれだけ動かしてもスマホは手に当たらない

反対側かと逆の手を伸ばすとあたたかいものに触れた

びっくりして目を開けると
もっとびっくりした


「おはよ」


チャニが頬杖をついてこっちを見ていた


「お、おはようございます」


恥ずかしくなって掛け布団を顔まで引っ張り上げる


「なんで隠しちゃうの せっかく見てたのに」

布団の中で足が絡む

「ちょっ…」

なんとか足から逃れようと抵抗してみる

足は簡単に絡め取られて、上半身も抱き寄せられて身動きが取れなくなった

「苦しいです」

「ん〜〜」

ゆるく抱きかえす

やわらかい陽の光が幸せな朝を運んできた



「ね、朝ごはん頼もうか」

「私ホテルのオムレツ大好き」

「俺とどっちが好き？」

「オムレツ」

「そう、いいよ、俺もAよりオムレツが好きだし」

「嘘だよ チャニが好き」


私からチャニに触れるだけのキスをする

恥ずかしくて 隠れるように抱きつくとぎゅっと抱きしめてくれて

こんなに幸せな朝があってもいいのかと驚く

涙が出そう


「ねぇ、顔みせて」

チャニがそう言って腕を緩める

目が合ってまじまじと私を見る顔がすごく幸せそうで
私はこの人の幸福なんだって実感した



「朝起きて隣でAが眠ってるなんて 夢みたい」

「ごめんってば あの時のこと根に持ってるよね？」

「持ってないよ」

「だってわざとでしょ この部屋取ったのも 最近つけてなかった香水つけたのも」

「そうだよ、香りと記憶って強く結びついてるって聞いたことあって もしかして思い出してくれないかなって」

「寂しかったよね ごめんね」

「そういう訳じゃないけど…」

「じゃあ拗ねてたの？」

「拗ねてない」

「じゃあ別れる？」

「別れないってば！！」




fin

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