ウィスキー、ロックで

禁酒39日目 ページ39

仕事から帰ってきてお風呂に入ろうとした時インターホンが鳴った

宅配は頼んでないし誰だろうとモニターを覗いてみると見知った姿が映ってる
驚いてロックを解除するとしばらく経って玄関のインターホンが鳴る


「急にどうしたの？」

「突然ごめん ちょっとだけ時間できたから会いにきちゃった」

「全然大丈夫だけど びっくりした」


はっ
もしかして前に言ってた今度って今日！？
急すぎない！？


「もうご飯食べた？まだだったら一緒に食べようと思って買ってきた」

ビニール袋を顔の高さに掲げるチャニ

「まだ食べてないよ！ありがと〜」

びっくりした〜

ほっとして小さく息を吐いた

一緒にご飯を食べて 他愛もない話をして笑った
２時間が経った頃そろそろ戻らなきゃと言ってチャニは帰っていった

この日以降
チャニは時間を見つけてはうちへ来てくれるようになった
さすがに来る前に連絡してほしいという要望は採用された



チャニの家庭訪問にもすっかり慣れた頃

「その時ハジュニがね」

私は職場での話をしていた

「シウオッパが」
「ソアオンニが」

天然の後輩の話
仲良い先輩の話
いろんな話をした

楽しそうに聞いてくれてたチャニの顔がどんどん曇っていく

「ごめん、知らない人の話聞いてもつまんないよね」

「いや、そうじゃなくて」

なんだか居心地が悪そうにもにょもにょしている

「そのぉ」

「ん？」

「俺は働いてる時のAの姿見れないから…」

「え」

「その後輩も先輩もうらやましい」

それって

「ヤキモチ焼いてるの…？」

「焼いてない」

「じゃあ、拗ねてる」

「拗ねてない」

「じゃあ、別れる？」

「じゃあってなに？！ 別れない！」

やっと目が合った

「ごめん冗談 職場の話はしないようにするね」

「それはだめ 俺が知らないAを知ってる人がいるのはだめだから」

「何それ〜」

笑ってみたけど心臓がこれでもかと言うほど早く動いてる

「Aはやいてくれないの？」

「え」

「俺はやいてほしいけど」

「き、機会があれば入荷しときます…」


意味わかんない返事しちゃった 機会があれば入荷するって何 餅かよ







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