ウィスキー、ロックで

禁酒28日目 ページ28

時々届くメッセージに返事をして
少し時間ができたからとかけてきてくれた電話で短い時間話す

私たちが一緒にいるための方法を考えてみてもいいのかもしれない
そう考えながら2週間を過ごした


朝起きて いつもより少しだけ丁寧にメイクをして家を出た


お昼になるとソアオンニに誘われて前に話した店のランチに行った
すると 隣の席の女の子たちがコンサートのチケットが取れなかったんだと嘆いていた

「何か遠くに行っちゃったよねぇ」

「売れるのは嬉しいけど自分たちだけが知っておきたいって気持ちもあるよね」

「分かる〜」

「しかもどれだけ応援しててもそのうち誰かのものになるんだよ」

「アイドルだって人間なんだから当たり前だけどさ ずっと見てきた身としては寂しいよね」

「めっちゃ分かる 幸せになってほしいけどずっとメンバーとわちゃわちゃしててほしい」



耳にこびりついて離れない女の子たちの残念そうな声

浮かれてた私を現実に引き戻す
うっかり涙が出そうになってごまかすようにパスタを口に突っこんだ

「うわぁ このパスタめっちゃ美味しいですね〜！」

「あんた終盤でも一口目のテンションでいけるのすごいね」

変なふうに感心されたけど泣くよりはマシ
最後の一口まで食べ切ってアイスティーを飲み干した

「ごちそうさまでした！よし、戻りましょう！」

勢いよくグラスを置いて立ち上がった
オンニは驚いていたけど特に何も言わなかった

黙ってたら余計なことを考えてしまうので ありえない速度で仕事を片付けて ついには余計な仕事まで引き受けて片付けた

「え？ 退勤時間だし 今日はもうこれ以上任せる仕事ないよ」

課長にこう言われて私の本日の業務は終了してしまった
こんな時に限って定時退勤
先週の残業に次ぐ残業はなんだったんだ

はぁ もうなんでもいいや
仕事と同じ さっさと終わらせよう

最善の選択をすればいいだけ

私の感情は関係ない

そうと決まれば早いうちに会う予定を立てなければいけない

善は急いで急がば回れ

家に帰ったら連絡してみよう


話したいことがあるんだって




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