虹色のお話 (ページ27)

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side:橙

『淳太のお粥と俺らのご飯持ってきて』

淳太くんのお粥は分かるけどなんで俺らのも？
濱ちゃんからのLINEに首を傾げながら言うとおりにお盆に3人分の器をのせて淳太くんを寝かせている寝室に行く。
両手が塞がっているのに濱ちゃんはドアも開けてくれへん。
それぐらいしてや、と口から出かけた言葉はすぐになくなった。

「これは動かれへんなぁ」
「せやろ。あ、ご飯ありがとうな」

細い指で濱ちゃんの袖を控えめに掴んだまますやすやと寝息をたてている姿。
熱が高くて赤らんだ頬によって幼さすら感じる。

「多分やけど、淳太1人になるの寂しかったんちゃうかな」
「淳太くんがなんか言ったん？」
「いや、立とうとしたら掴んできてん。めっちゃ控えめやったけど」
「は〜、まあ体調崩すと人肌恋しくなるって言うしなぁ」

体調崩してやっと甘えたい気持ちが表に出てきた根っからのお兄ちゃん気質の最年長。
それを甘やかすのが残りの兄組、淳太くんに休息与え隊のミッションや。

「寝とるとこ悪いけど薬飲ませなあかんし淳太起こすか」

…この寝顔で起こすのハードル高ない？