虹色のお話 (ページ19)

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side 桃

照史の声が急に詰まったのが気になって振り返ると、首と腕をがくりと下げて腕で支えられとる淳太。

え、さっきまで俺とシゲに普通につっこんどったやん。

神ちゃんも流星も急な事で驚いた顔しとる。
水飲みや、といつもと変わらない声の濱ちゃんに促されるまま水に口を付ける。
さっきも通路で飲んだけど、何口か飲むと淳太が倒れたことを理解して慌てて濱ちゃんに駆け寄る。

｢え、淳太大丈夫なん！？｣
｢大丈夫やから、望落ち着き｣
｢あ、うん｣

どうしたらええんかわからんくて、淳太を横抱きにしたままソファに向かう照史を見とると、パンパンと手を叩く音が聞こえた。

｢気になるやろうけど、皆汗かいとるんやからとりあえず汗拭いて着替えや〜｣
｢せやな、淳太心配やけど照史がおるし汗そのままにして風邪ひいたらあかんわ｣

濱ちゃんと神ちゃんの言う通り、とりあえず着替えや。
なんなら濱ちゃんは俺らに言いながら着替え始めとる。

てかシゲめっちゃ早ない？
俺が着替えたときにはもうソファ覗き込んどるやん。
流星もどっか行ったし。

ソファに寝かされて照史に汗を拭かれとる淳太は頬を真っ赤に染めて荒い息。
これ絶対熱あるんちゃう？

｢うわ、淳太しんどそうやな｣
｢せやねん、多分熱出とるわ。｣
｢ほら照史も着替えや｣
｢おん、ありがとう濱ちゃん｣

シゲの言う通りめっちゃ辛そうな淳太。
ぐったりして反応ないけど淳太も着替えさせなあかんよな。

｢あ、望、淳太の着替え取ってきてや｣
｢わ、わかった！｣
｢俺皆の荷物まとめとくわ｣
｢助かるわ神ちゃん｣

着替え中の照史に言われて楽屋の隅に置いてある荷物から淳太の着替えを出す。
上はゆったりしたTシャツやけど下はハーフパンツ。
熱ありそうやし足出したらあかんよな。
俺のジャージでええか。脚長いし履けるやろ。

力の入ってない成人男性を着替えさすのは思ったより大変やったけど、濱ちゃんとシゲとなんとかやりきった。
てか細ない？履かせたジャージ、丈は問題ないのに太ももとか俺よりも布余っとるんやけど。

そういえばこんな時に流星はどこ行ったんやろ。