【里見海斗】爆弾投下5秒前【3年A組】

#. ページ11

里見side



「･･･ねえ、聞いてる？」

『ん、何？』



話をしにここに来たというのに相手のAちゃんはクレープに夢中になってる。

俺の質問には答えたくないのか、そもそも話が聞こえてないのか。

Aちゃんならどっちもありそうだけど、今は多分話が聞こえてないんだろう。



『なんで？知ってもいいことないよ』



さっきのAちゃんはなんか変だった。

いつもは俺が言ったら言い返してくるのに、俯いて弱々しく、そう言った。



知られたくない何かがある。

自分の秘密、あるいは過去が関係していることは明白だった。

きっちりとした身だしなみとは反対に、言葉遣いや態度が悪いことも気になる。



『私の顔にクリームでもついてるの？』

『さっきっから見すぎなんだよ変態』



「っあーごめんつい」



俺が頭であれこれ考えているうちにAちゃんはクレープを食べ終わったようだ。

クレープを食べ慣れているのか、クリームはどこにもついていない。




期待した俺が悪かった。

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