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「…。
仲良くじゃないし…それにAさんには、、ちゃんと…」
っていうか聞いたんか。
どこまで…?
「大事なショーに出るから、それまでにお肌の調子を整えたいってスゲー悩んでたぞ、Aちゃん。」
そんなの…
ヒチョルさんに聞けばなんとでもなりそうなのに―。
・
理容室のソファーに座って、本棚から漫画を取り出した。
もう何度も読んでいるからセリフも内容もすべて俺の頭の中には入ってる。
それなのに…
「そんなに強く撫でるんじゃなくて、化粧水を浸透させるように優しく抑え込むようにね、そうそう〜。」
「あはは、イトゥクさんの手からみかんの匂いする。」
「さっき食べたからだ…でも生魚の匂いよりいいでしょ。」
「確かに。」
漫画のページを捲り掛けた手を思わず鼻の下へ持っていく。
洗い物でだいぶ落ちた気はするけど、まだちょっと臭かった。
ふ〜…
全っ然、内容が入って来ないな…
パタンと漫画を閉じたら隠れてた視界に細い指が見えて
「あ、読んでたのに。」
ぎょっとして隣を見れば、いつのまにかAさんが並んで座って閉じられた漫画の表紙を恨めしそうに見てたから思わず固まってしまった。
こんな距離、一緒に住んでた頃は普通だった。
だけど今は、少しだけ俺に触れている彼女の腕の温もりが以前とは違って感じる。
「一体何しに来たんですか…
漫画読みに来たの?」
目を伏せて、首を横に振るAさんの顔が茹で卵のようにツルンとしてて、久々に彼女のスッピンを見るんだなぁなんてなんだか感慨深かった。
「キュヒョンのお兄さんのお店、すごく素敵ね。」
久々に感じる体温が少し迷惑なのに、彼女はそんなこと気にする様子もなく落ち着いた声で呟いた。
「サロマジとは全然違って古い店ですけどね、でも、俺もここ好きなんです。」
「そっか…
イトゥクさんに借りてたお金も少しずつ返済してるんだってね。
全部、お兄さんにちゃんと話したんだ?」
「あんた達こそ、この短時間でどこまで話し込んでんだ…
本当に今日知り合ったばかりなのか!?」
「ふふ。
コスメ売り場で話してたら、理容室をやってるって聞いて、なんとなく分かったよ?
あ、でも…イトゥクさんは、知ってたみたいだったな私のこと。」
ドンヘか…
ドンヘだな!?
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作者名:私 | 作成日時:2017年12月2日 20時