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気付いたときには走り出していて…
キレイな女優さんやスタイル抜群のモデルさんに
それから女の子みたいな顔したアイドルの男の子、キラキラした笑顔を振り撒く女の子のアイドル達…とにかく
住む世界の違う人たち全員に時々ぶつかって謝りながら、人の波間を掻き分けて進む私の真正面に立っていたのは
ヒチョルさんだった。
ヒチョルさんは、ここにいるキラキラした人たちと同じ場所に立っていて
焦って先を急ぐ私を大きな目でジッと見てる。
でも今、はっきり分かった気がする。
「A?どうした…どこ行くの。」
キュヒョン―、
やっぱり、、
私の居場所は、ここじゃないみたい―。
コツコツと響くハイヒールの音が遠ざかっていくのが気になって―、
会場の外へチラチラと視線を動かす私にヒチョルさんが近づいて覗き込む。
「ウニョクとシウォンはどこ?
一緒に行こう。」
ヒチョルさんに掴まれかけた手を、咄嗟にサッと後ろに引っ込めてしまった。
その瞬間、少しサイズの大きかった指輪がするりと外れて、小さな音を立てながら転がっていく―。
あー…、
バカだな、私。
本当に。
少し恥じらいながら、夜空のヘリでヒチョルさんがくれた指輪。
それは私の指よりも大きくて、ブカブカだった。
今度は一緒にこの指輪を買った店に行って、サイズを直そうねって…
さっき約束したばかりなのに―、
「…ごめんなさい、ヒチョルさん。」
「いや、サイズを間違った俺が悪かったよ。」
「私、、本当に…ごめんなさい。」
どこかに転げて行ってしまった指輪を目で追うヒチョルさんを残して会場を飛び出した。
・
「おい!!そこの詐欺師ちょっと待て!
おめぇ今すぐキュヒョンの金を返すっぺ!!
あんなにいい男を騙しやがって…、おめぇただじゃおかねぇかんな!」
綺麗に結い上げられた女優の髪を引っ掴んだときに、ちらりと横目に見えたのは
私を追い掛けてきて、目を見開くヒチョルオッパの顔だった。
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作者名:私 | 作成日時:2017年12月2日 20時