サキュバスですがなにか。【３】 (ページ33)

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「おはよー！」
「はよ」

教室につく。文化祭2日目の始まりだった。

「律、おはよう」
「おー、おはよ瑛一。お前今日はシフト入ってない日だよな」
「うん。あのさ」

一瞬、聞くのにためらった。昨日の事は何だか非現実的で、全部夢なんじゃないかって思ってきてる。だって、帆立君の事だってAさんの事だってよく考えたら全て夢だったら辻褄が合うんだ。

「Aさんって今どこにいる？」

律は僕の目を見ている。律はAさんとは普通に仲が良かった。
だから忘れるはずなんてないんだ。

「Aサン？…って誰？」

僕がただひたすら立ち尽くしていたら、舞子さんがやってきた。
律は仏頂面で、コイツ朝から頭おかしい、なんて僕の事を説明している。
舞子さんはいつもの眩しい笑顔で僕に笑いかけた。

「どうした、瑛一クン。文化祭でちょっとクレイジーになっちゃったかな」
「Aさんは」
「…他クラスの人なら、ゴメン、知らないな」

その後の事は、自分でもよく覚えてないけど、適当に誤魔化したんだろう。
気が付けば文化祭は始まっていて、お客さんが僕らの出し物に来てくれていた。
いつまでも教室にいるのも邪魔だし、文化祭パンフレットを握りしめて廊下に出た。