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僕にとっての勉強という苦行が終わり、学校の楽しみの一つである昼休みになった。
僕は律と机をくっつけ昼ご飯を広げる。
「えっ。瑛一ってそんなに食うの」
「うん!僕は結構大食いなほうですよ」
「へぇ…お前細いしチビなほうだから、食わないのかと思ってた」
と、ドア付近からガシャーンと大きな音がした。
なんだなんだとそちらを向くと、女子二人と男子一人がなにかモメているようだった。
そのうちの一人はAさんで、つい不安になる。
どうやらAさんと一緒にいる女子…柿本遥さんと、今井健人くんが騒いでいるらしい。
「こっちはちょっとぶつかっただけじゃん!そんなにキレることなくない?舌打ちなんかしちゃってさ、ちっさい男だねぇ!な、A!お前も言ってやれ!」
「あ?なんだとてめぇ。初対面なのに頭おかしいだろ!」
Aさんが何かをしたわけではなさそうで、少し安堵する。柿本さんが必要以上に騒ぎ立てている感じがするな。今井くんはどちらかと言うと喧嘩よりもさっさとお昼が食べたそうだな。
でも、なんであんなヤンキーみたいな人とAさんは一緒にいるんだろう?
「ねぇ律?柿本さんとAさんが一緒にいるの何か不自然じゃない?タイプがまったく違うというか…何か、変」
「大人しいからじゃねーの?」
「え?」
僕が律の言葉にきょとんとしていると、Aさんだけがこちらに戻ってきた。
その顔は申し訳なさの感情で溢れている。少し話してみようか。
「ねぇ?さっきなにかモメてたみたいだけど…大丈夫?」
「あ、うん!ごめん、やっぱうるさかったよねぇ…」
「いや…てか柿本さんとどうして一緒にいるの?Aさんと全く性格が違うような気がするけど」
目の端で律がため息をついているのが分かった。これでも僕はオブラートに包んだつもりだ。Aさんは言葉に迷いながらも、口を開いた。
「あはは…私、ああいう子に好かれやすいみたいで…」
困ったように笑う、というか笑ったように困るAさん。あぁ確かにいるよね。本人まともなのに何故か問題児に好かれる人って。だがあぁあ…押しに弱そうだとは思ってたけど…!!
「Aー!!お昼食べるわよぉ!」
「あっ、ごめん遥、今行くー!」
お昼ご飯を取りに来たの、とお弁当箱を取り出しているAさん。
またね、と短く残してAさんは柿本さんのところへ戻った。
「…まぁ、Aって優しそうだしね」
「うん」
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稲穂 佳子 - セレネ・アステリアさん» アドバイスありがとうございます!また、素敵なイベント参加ありがとうございました! (2018年12月20日 20時) (レス) id: a3b52e3a17 (このIDを非表示/違反報告)
セレネ・アステリア(プロフ) - それと、人の心の中の声はなるべく()で書いて、()や「」がない所は情景描写にしたほうが良いです♪その点で、上手く書けているところが所々ですがあったので素敵な表現だな、と思いました。これからももっと素敵な小説になる事を応援しています!頑張ってください! (2018年12月18日 22時) (レス) id: 9b27cabf4c (このIDを非表示/違反報告)
セレネ・アステリア(プロフ) - レスありがとう御座います!お話の内容は素敵で面白いんですが、小説の表示の仕方に少しアドバイスさせて頂きますね!まず、主人公のセリフを『』にしたい気持ちは分かりますが、「」に変えて『』は過去セリフとかに使い分けた方が良いですよ! (2018年12月18日 22時) (レス) id: 9b27cabf4c (このIDを非表示/違反報告)
稲穂 佳子 - セレネ・アステリアさん» わわ、コメントありがとうございます!まだまだ物語途中ですが、現時点でのアドバイスをください。厳しめ、緩め、どちらでも構いません。よろしくお願いいたします! (2018年12月18日 22時) (レス) id: a3b52e3a17 (このIDを非表示/違反報告)
セレネ・アステリア(プロフ) - イベントに参加してもらった元、アラーネアです!一応読ませて頂きましたが、イベント参加ということでアドバイスとかいりますかね?もし良ければですが、させてもらっても良いですか? (2018年12月18日 21時) (レス) id: 9b27cabf4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:稲穂 佳子 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年11月4日 15時