◇苺のタルト ページ33
｢そこで、トレイに相談なんだけど……｣
｢どうしたんだ？｣
灰色の瞳を横に逸らしながら気まずそうに言葉を綴る彼に疑問を覚える
その感情をそのまま言葉として文字に起こす
静かな室内に温くなった紅茶の風味が漂う
外の明るい陽だまりが窓に備え付けられたカーテンの合間から覗き見る
先程のむせ返った衝撃で少しズレたであろう眼鏡のブリッジを押さえながら直した、次の瞬間、
｢…その。彼女に贈る婚約指輪について聞きたくて｣
俺の返事を聞いた彼は直ぐに本題について言葉を口にした
その本題についての文字を拾い上げて文字を読み返す
しかし、いくら読み返しても彼を満足させれるような解答を自身は持ち合わせていないのだと脳が事実を述べる
それらをそのまま、問いかけをした主に声に出して告げる事にした
｢リドル、すまないが…、女性が喜ぶような指輪について俺が分かるわけないだろ…？｣
｢…そうか。それはごめん｣
｢ケイトの方がその辺は詳しそうだが…、それか同じ女性に聞くのがベストなんじゃないか？｣
｢…同じ女性｣
俺の答えに何かを考える素振りを見せ、そうだなと、納得してくれた様子にひと安心する
流石に、女性物のアクセサリーやジュエリーなどは専門外だなと脳が苦い笑みを浮かべる
ケイトに相談するのが1番無難な気はするが彼は彼で多忙を極めており中々、直ぐに会うことが出来ないことをリドルも考えて俺の所に来たんだろう
苺のタルトを小さくフォークで切り取り口に含む彼の様子を見てそう結論をつける
時を刻む秒針が無機質な音を奏でる
苺の赤色とリドルの朱色がそれぞれ違ったアカイロを見せた
｢…ちなみに指輪のサイズは？｣
｢それは抜かりないよ｣
不敵な笑みを口元に描くその姿に流石だな、と笑いながら告げる
緩やかな雰囲気が休日のこの空間に流れ出す
彼の柔らかい表情に自分まで心の奥が暖かい何かに満たされていくのを感じ始める
彼女のことを考えているのだろうか、目を細めながら口角をあげるその姿にナイトレイブンカレッジに在学中の頃の彼を連想させられる
重んじるルールに対して絶対的な自信を見せていたあの頃を彷彿させる
彼女の持つ薄い色味とリドルの持つ朱色の鮮やかさが混ざってはぐちゃぐちゃと掻き乱す
苺の甘酸っぱさと甘みが重なり合っては、それらは上から塗り替えられていった
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砂時計(プロフ) - 葵さん» 初めまして！コメントくださりありがとうございます！！可愛いですよねっ、描いてくださった友人のイラストを褒めてくださりありがとうございます！リドルさんの素敵なところをお届けできるように頑張って書いたのでそう言って頂けて嬉しいですっ！！ (2021年7月23日 12時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - チーズ鍋さん» この度はお返事が遅くなってしまいすみませんっ私のお話を読んでくださりありがとうございます。私なりに綺麗な世界観を見せたいと思っていたのでそのようにお褒めいただけて本当に嬉しいですっ！！本当にありがとうございましたっ。 (2021年7月23日 12時) (レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - うおおおおぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!かわぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………うるさいですよね。すみませんでした。ほんとリドル君スキッ！ (2021年7月19日 15時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 言葉選びが素晴らしく、本当に綺麗な文章でした。話の内容も面白く、しかも読みやすいので一気読みしてしまいました。この作品と出会えて良かったです。ありがとうございました。 (2020年10月16日 22時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - バカさん» この作品を最後まで読んでくださり本当にありがとうございます！！初めてに私の作品を選んでいただけて大変嬉しく思います(＞＜)お褒めの言葉本当に感激ですっっ！！他の作品でも貴方様にお会い出来ることを願っております(;_;)！本当にありがとうございます！！ (2020年9月23日 1時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年8月18日 3時
