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「じゃ、じゃあ…、この前、受付の女の子と歩いていたのは、理由は何でですか…!」



今まで傷んでボロボロになった部分が信じれないと叫ぶ反面、彼のことを信じたいと訴える自身が居ることもまた事実

渦巻く葛藤とローズハートさんへの恋心がぐちゃぐちゃと搔き乱れる


少し離れた寝室のドア付近の壁近くに立つ彼へと真っ直ぐ視線を向ける

大人が2人寝ても余裕のある広いベッドの上で崩していた足を体育座りの形へと固く閉じ直す



「あれは……」

「答えられない理由なんですか…?」


緊張と不安が交差するように入り交じる

私の問いかけに対して濁すように言葉を選ぼうとするローズハートさんに更に追い打ちをかけるように言葉を付け足す

夜が徐々に深まってきていることを立てかけられた時計の秒針が告げる

ベッド横に置かれた小さめのテーブルにスタンドと本が何冊か置かれているのが視界の隅に写った

やはり、答えられないようなやましい事があったのだろうか、そう脳が言葉を震わせた次の瞬間、




「…婚約指輪を、買いに行ってただけだよ」

「…はい?」

「だから、君との婚約指輪を買いに行ったんだ」


いつも見る澄ましたよう顔をしているあの上司が。
鬼のように厳しいと謳われるあのローズハートさんが。

その真面目な表情を崩し、恥ずかしさを滲ました言葉を口にしたのだ

彼の朱色と同じように頬にうっすらと赤色を覗かせるその姿に呆気にとられる

次に伝えるはずだった言葉が彼の吐き捨てたものによって綺麗さっぱり消し炭にされたせいで返答に詰まる



「…え、ゆ、指輪で、すか?」

「…女性の好む指輪のデザインを知らないなんて言えないだろ、、好きな女性になんて」


私の暗い青色の瞳からは気まずそうに視線をふっと逸らすその姿に胸が締め付けられる

さっきまであんなに疑っていたのに単純な思考回路のせいなのかドクドクと心臓が音をあげる


ローズハートさんの表情に熱が含まれる

彼をそんな恋焦がれているような表情にさせたのが自分なのだと事実に苦しくなる


言うつもりなんてなかったのに。

と、苦みを纏った言葉を独り言のように付け加える上司の髪の毛が揺れる


そして、受付の女の子を選んだ理由は、

私と同世代の女の子にウケがいいデザインの指輪を教えてもらいたかったからだと説明された



ローズハートさんの真剣な眼差しに彼の言葉が嘘ではないと感じる

つまるところ、全てが自分の勘違いだったのだと脳が告げた

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砂時計(プロフ) - 葵さん» 初めまして!コメントくださりありがとうございます!!可愛いですよねっ、描いてくださった友人のイラストを褒めてくださりありがとうございます!リドルさんの素敵なところをお届けできるように頑張って書いたのでそう言って頂けて嬉しいですっ!! (2021年7月23日 12時) (レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - チーズ鍋さん» この度はお返事が遅くなってしまいすみませんっ私のお話を読んでくださりありがとうございます。私なりに綺麗な世界観を見せたいと思っていたのでそのようにお褒めいただけて本当に嬉しいですっ!!本当にありがとうございましたっ。 (2021年7月23日 12時) (レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - うおおおおぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!かわぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………うるさいですよね。すみませんでした。ほんとリドル君スキッ! (2021年7月19日 15時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 言葉選びが素晴らしく、本当に綺麗な文章でした。話の内容も面白く、しかも読みやすいので一気読みしてしまいました。この作品と出会えて良かったです。ありがとうございました。 (2020年10月16日 22時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - バカさん» この作品を最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!!初めてに私の作品を選んでいただけて大変嬉しく思います(><)お褒めの言葉本当に感激ですっっ!!他の作品でも貴方様にお会い出来ることを願っております(;_;)!本当にありがとうございます!! (2020年9月23日 1時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:砂時計 | 作成日時:2020年8月18日 3時

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