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｢そ、そうだったのか…｣
｢えぇ。でも、リドル君がご無事で何よりです｣
鼻の奥につんっとくる薬品類の独特の匂いが体全体を包み込む
自身の部屋にある窓の外から見えた荒れ果てた庭を思い出しながら副寮長である先輩に文字を並べる
トレイ先輩もやっと真っ直ぐ前を見られるようになってよかったです
そう、言葉を付け加えると彼の眼鏡の奥の瞳が驚きで見開かれた。そんな先輩に対して、王族として叩き込まれた笑みを浮かべながら返事をする、そして、
｢リドル君、今はしっかり休んでまた頑張りましょ？｣
｢っ…！ああ。Aにも迷惑をかけてすまなかったね…｣
その流れのまま医務室の奥に置かれている彼が横たわるベッドの横にまで歩み寄る
もう既に知っている時系列を実際に体験するような感覚で体を動かし、息を吸いこみ、言葉を吐き捨てる
夢の中で見ていた通り、私の言葉に気まずさを含んだ返事を返す寮長に見舞いの品だと苺ジャムを使ったクッキーを詰めた袋を手渡す
朝食の後に作ったんですよ、と言葉を紡ぐとリドル君はいつものきりっとした表情ではなく少しだけ緩みを見せた笑みを浮かべ礼を述べた
双子のお姉様と同じ朱色を持つリドル君
双子のお姉様と同じように不器用な面を持ち、ルールや規律を重んじて上へと立とうとするリドル君
双子のお姉様と同じように誰かのためにと動こうとするリドル君
似ているようで似ていない2人の姿が脳の中を浮いては沈んで行った。
私は姉を慕っているが姉は私を嫌っている
そんな姉は私なんかが女王になる事だけは阻止したいのだと思われる
過去に未来を無視して自分の欲を優先させた行動をとったせいで姉に仕えていた使用人が大怪我を負ったことがあったからだ
未来視のこの能力について知っている姉は幼い私が見た未来通りの行動をしなかったために自分の使用人が怪我をしたことに対して怒り狂った
この時、幼いながらにして初めて先読みした未来通りに進むことの大切さを、己の立場を理解したのだ。
呼吸音が響く医務室
ベッドの上で疲労のせいか固く目を閉じ吐息を立て始めるリドル君を見下ろす自身
彼のその姿を見た学園長は安堵しそっと医務室を出ていった
｢お疲れ様ですね。トレイ先輩｣
｢…はは。白の女王様には本当になんでもお見通しってことなのか、な｣
｢そんな事ないですよ。トレイ先輩や皆さん。リドル君の頑張りの結果です｣
在るべき未来へと進んだ皆さんの努力の結果ですよ。
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イドラ - この小説はとても面白いです＼(^_^)／ あと黙って隣に立ってなさいのパスワードがわかりません(;。;)教えてていただけると嬉しいです (2021年3月2日 21時) (
レス) id: 4692e257b3 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 時雨さん» この作品を読んで下さりまたコメントまでして下さりありがとうございます！！！そう言って貰えてめちゃめちゃ嬉しいです(＞＜)ありがとうございます！！！これからもこの作品をよろしくお願いします！！ (2020年7月25日 22時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あ、これ好きです(唐突) (2020年7月25日 19時) (レス) id: c7d5c9d13c (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 桜雪さん» きゃあああっ、さゆきちゃんが読んでくれたなんて本当に嬉しすぎるっっ！！！！さゆきちゃんも無理のないようにね！！お互い頑張ろうね！！コメントくれて本当にありがとうおおお！！(＞＜) (2020年7月21日 20時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - あーーーん設定もろとも大好きやっぱり私にとって需要しかないやつ〜すきだーーーーーー！！！！！体調には気をつけて、更新頑張ってね！ (2020年7月21日 20時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年7月19日 23時
