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「大人しくしててねぇ」
「…んぐっ」
巨大なウツボとは違い短い足で必死に彼の早歩きについていっていたが痺れを切らしたのだろう俵を抱えるかのように腕1本で運ばれ始めてしまった
揺れる自身のウェーブがかかった髪の毛が重力に従い下に流れ落ちる
視界いっぱいに広がり揺れる地面
遠くで海水の流れる音が響くのが聞こえる
自身も所属するオクタヴィネル寮の寮内の廊下をずんずんと進んでいくフロイドにされるがまま状態で私の部屋へと連行された
途中、すれ違う生徒達から遠い目を向けられたことを私は絶対に忘れない
…そんな可哀想な目で見るなら助けろや
喉の奥まででかかった言葉が行き場をなくして消えていく
誰一人として機嫌の悪いこの雰囲気を纏ったフロイドに声をかけれる者なんていなかったのである
「ジェイド〜、マナティちゃん。連れてきたよ〜」
「お帰りなさい。フロイド…、A」
「なっ、なんで…っい!!」
豪快に足で開かれた自室の扉が大きな音をあげる
目の前の見慣れた家具が広がる中には居るはずのないウツボの片割れの姿に吃驚する
驚きと困惑の声が自身の脳内で溢れり、それらに従うように言葉を発した次の瞬間、抱えていたフロイドによってジェイドが立っている目の前へと投げ込まれた
いきなり降ろされたせいかふらつく体
急な衝撃になんとか転ばないよう、踏ん張り耐える
それらと同時に後ろでは扉とその鍵が閉まる音が響いた
脳が警告音を赤色ランプ付きで鳴らす。心臓がうるさいほどの音を鳴らす
寮服をフロイドとは違いきちんとボタンまでしめて着用しているジェイドを見上げながら身構える
「…A。僕達との約束、まさか忘れていたなんてことはないですよね?」
「こんな薬まで用意しちゃって…何をしようとしてたのか…、ちゃぁんと、説明してね」
目の前と後ろからウツボの声が交互に響く
非常にまずいこの状況に脳がフル回転を始める
諦めて彼らから罰という名の暴力を受けるべきか、と最悪の未来すら想像する
腕や肩のフロイドにつけられた噛み跡達が存在を主張する
言葉が出てこなくて黙りを貫く私に対して次の瞬間、奴らは動き出した
「まったく困った人ですね…」
「どうすんの?ジェイド、やっちゃっていいの?」
「…仕方ありませんね」
では、身をもってわかって頂きましょうか
その歪な声が室内に轟き双子の影が私へとジリジリと近づき始める
遠くで錬金釜の音が鳴った気がした
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よる - おちた( ˙-˙ ) (2020年7月27日 23時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 桜雪さん» さっそく覗きに来て下さりありがとうございます!!!こちらこそありがとうございますですよっっ!!これからも何卒よろしくお願いいたしますヽ(*^^*)ノ (2020年6月15日 19時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 眠り猫さん» この作品を読んでくださり、またコメントをしていただきありがとうございます!!!そう言っていただけて嬉しいかぎりです(;▽;)これからも未熟な作品ですがお付き合いよろしくお願いいたしますっ! (2020年6月15日 19時) (レス) id: 47df7c7bae (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - あ、もう好き即お気に入りしましたありがとうございました(落ち着け) (2020年6月15日 2時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
眠り猫(プロフ) - おもしろい〜!更新頑張ってください!楽しみにしてます (2020年6月15日 1時) (レス) id: c0bdd88e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂時計 | 作成日時:2020年6月14日 23時