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「無理を言って悪いな」
「いや、気にするな。ちょうど、同い歳の息子の訓練相手になってもらいたい所だったしな」
「…お邪魔します。」
轟という表札が目に入る。
インターホンを押す、ピンポンと効果音を立てる。
その直後
父より一回り大きい体をしているエンデヴァーさんが出迎えてくれた。
私の持つ赤色と似ている髪色をしているエンデヴァーさんをぼんやり見つめる。
広すぎる玄関に促される。
日本風な木の匂いを感じさせる。
聞けば、高校時代の知り合いで大人になっても付き合いがあるのだとか。
まあ、プロヒーローと大手サポート会社の経営者だしね。
大人の関係にうんうん、と納得する。
「じゃあ、１ヶ月いい子にしてるんだよ」
「…はい」
そう言葉を残し背中を見せる、父親。
本音を言うととてつもなく嫌である。
なんなら、そこまで祖父の家にも実家にも離れていない距離にある場所なのだから走って帰ってしまいたいレベルで嫌なのである。
まあ、でも、父も母も私を思ってのことなのだから、それなりに頑張ってみるつもりだけど。
何事もなく平和に１ヶ月過ごせますように。
遠ざかる、背中を見つめながら脳内で言葉を吐き捨てる。
父の姿を見送ったあと、エンデヴァーさんに向き直り
「よろしくお願いします」
と、吐き出しながらお辞儀をした。
そのまま、ついてこいと言われたので靴を脱ぎ廊下に足をつける。
大量の荷物を持ち上げながらエンデヴァーさんに案内された和室へとはいる。
畳の感触に懐かしさを感じた。
そういえば、前世の家は全て和室だったことを思い出す。
あまりはっきりと記憶してはいないが畳の上で勉強をしていた映像が流れる。
そこまで狭くはない部屋に大量の荷物を置く。
窓から見える草や木が生えわたる庭が見えた。
私の持ってきた荷物と机に布団、小さな箪笥だけしかない殺風景な室内に溜息が零れ落ちた。
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砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
