13 ページ15
「…へっくしゅん！！！」
「Aちゃん、大丈夫！？」
湯気の上がる風呂場から脱衣所に移動する
一気に体温が冷えきる。
ぽたぽたと、自身の髪の毛から雫が頬を伝う
脱衣所で急いで体をバスタオルで拭きあげ、寝間着用の服を着る。
温かくしたはずの体が冷たい冷気にあたり再び冷え始める
女の子らしからぬくしゃみに外で待っていてくれたのであろう冬美さんが不安な声を上げた。
「大丈夫です」
「そ、そう？ご飯温め直してるから食べにきてね」
閉められたドア越しに繰り広げられる会話。
髪の毛をタオルでゴシゴシと拭く。
ドライヤーで乾かそうとコンセントを探す。
その直後、足音が再び聞こえる始める。
続いて、短いノック音が響く
冬美さんが戻ってきのかなと思考が呟く
「はーい、どうかしまし…った！？」
返事も聞かず、扉を開けると目の前には赤と白のこの騒動の犯人が無表情で立ち尽くしていた。
驚きのあまり、心臓が飛び跳ねる。
先程まで文句のひとつやふたつ、言ってやるつもりだったのだが吃驚の方が勝り考えていた言葉達が消える。
「ど、うしたの」
「……悪かったな」
「…え？？？」
そして、頭でも打ったのだろうか。
あの。あの、轟焦凍さんが謝罪を口にしたのだ。
静かな脱衣所内に重たい空気が漂う
灰色と緑色のオッドアイが自身を突き刺す。
彼は本物なのか？
疑問に思った思考に従うように体が動き、ぺたぺたと、手で彼の顔を触る。
「ほ、ん物か…」
「やめろ」
痛みを感じさせる火傷跡に触れた途端、彼の少し大きな手に叩かれた。
渇ききった声が耳を貫く
触れてはいけない傷口に触れてしまったのだろうか。
一瞬で瞳に憎悪の色が見え隠れする。
「…ご、ごめん」
心の奥から零れた謝罪を言葉にする
ぱっと、反射的に彼から一歩後ろへ離れる。
私の行動に彼もばつが悪そうに
「…俺こそ悪かった」
視線を逸らしながら呟かれた言葉に私も居心地がなぜだか、悪くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
