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「そういえば、言ってなかったね」
「私は、焦凍くんと仲良くなりたいんだ」
出会い頭に仲良くするつもりは無い宣言をくらった私は自分の意志をぶつける。
公園に生える木々によりできた日陰のあるベンチに2人揃って腰を下ろす。
自身の茶色と赤色の髪の毛を心地よい風がなびかせる
少し距離をあけて座る彼と、初めて視線が重なった気がした。
「…あのクソ親父になんか言われたのか、俺と仲良くしとけって」
じゃないと、仲良くしたいなんて言わねえだろ
吐き捨てられた言葉が蝉の五月蝿い声にかき消されていく。
肌を汗が流れ落ちていく気配を感じる。
「…私が轟焦凍くんと仲良くしたいって思っただけだよ」
エンデヴァーさんに、特に何かを言われた記憶はない。
冬美さんには言われたけど自分の意志で君に手を差し出しているのだ。
彼がヒーローを目指していることは冬美さんから聞いていたから知っていた
ヒーローになるために日々の訓練、個性の使い方、ひたすらに努力しているのを1週間見てきて感じ取った。
真っ直ぐになりたいものへ突き進む努力をする人間のことは嫌いではない
「私と友達になろうよ」
「私もヒーローになるって夢を持ってるんだ」
同士じゃないか？
長ったらしく言葉を並べる私の台詞を全て黙って聞いていた焦凍くんのグレーとライトグリーンの綺麗な瞳が揺れ動く。
何かを少し考える素振りを見せるが
「…好きにしろ」
「！ありがとう、好きにするね」
吐き捨てられた言葉は拾いやすいものだった。
今まで拒絶され続けた分、その柔らかくなった声色に心の奥があったかくなったその直後、
「…なあ、お前はなんで家に来たんだ？」
「…え？」
公園内には私や焦凍くん以外誰もいない。
閑散とした空間に爆弾が投下された。
夏特有の蝉の声だけが聞こえる。
そんな中に初めてであろう。
焦凍くんからの質問に心が飛び跳ねる。
吃驚しすぎてそのオッドアイを見つめ返すことしか出来なかった。
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砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
