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「A！！忘れ物はない！？」
「だ、大丈夫か…！？」
「緊張しているなら手に人って書いて飲み込むんだぞ！！？」
「…はいはい。大丈夫だって」
玄関の扉を開きながら受験生ではない母、父、祖父が不安と緊張が混ざりあった顔付きで声を震わせているのに笑って背を向ける。
必要な物を全て詰め込んだリュックサックを背負い、中学の制服に身を包み足を前へとだす。
まだまだ、寒いこの時期の朝
吐き出す息が白く濁っているのが見える。
マフラーを口元にまで重なるようにつまみ上げる。
先程の家族の、当の本人より緊張してる姿を思い出し笑いそうになる。
その直後、スカートのポケットに入れていた携帯電話が震え出す。
マナーモードにするのをすっかり忘れていたのだ
電源も切っていた方がいいかなと思いながらそれを取り出す
「…ふ。あったかくして行けよって…っ焦凍くんらしいね」
ちらりと携帯電話のトークアプリに届いていた友人の応援コール？になるのだろうか疑問を感じる文を横目に地下鉄へと急ぐ。
よし。
人生2度目であろう高校受験に行きましょうか。
「今日は、俺のライブにようこそー！！！」
「エヴァバディセイヘイ！！！」
「こいつあシヴィー！！受験生のリスナー！」
「実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ！！」
プロヒーローであるプレゼントマイクの声が静かな会場内に轟く
耳を貫くそれに頭が揺れそうだと思考が呟く。
筆記試験を終えた後、会場内に詰め込まれた受験生達が指定された席に静かに座って中央に立つボイスヒーローへと視線を向ける。
髪の毛が逆だっている特徴的なヘアースタイルのプレゼントマイクが淡々と説明を始める。
10分間の模擬市街地演習を行う
演習場には仮想敵が4種配置されておりそれぞれに応じてポイントが設けてある。
各々で仮想敵を行動不能にしポイントを稼ぐシステムだと告げられる。
しかし、1種だけギミックといわれる0ポイントの仮想敵が配置されるとのこと
まあ、ポイントにならないのなら皆避けていくのが自然であるよね。
質問をしていた眼鏡の男の人が遠くの席で着席するのが視界の隅に映る。
再び静寂が会場内を支配する
緊張と高鳴りでぐちゃぐちゃになる心臓を押え込む
「Plus Ultra！！」
「それでは皆良い受難を」
響き渡るプレゼントマイクの一言により説明は幕を下ろした。
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砂時計(プロフ) - yuikaさん» コメントありがとうございます。この度はこの作品を見つけて下さり嬉しい限りでございます。そのお言葉を糧に細々と更新をしていこうと思ってますっ、これからも何卒お付き合いのほどお願いします(〃▽〃) (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 3e29fdde61 (このIDを非表示/違反報告)
yuika(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！思わず一気に読んでしまいました、、、！これからも頑張ってください！！！ (2020年3月29日 15時) (レス) id: 090e0c37e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂時計
| 作成日時：2020年1月21日 1時
