手のかかる後輩くん【二口堅治】

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「いただきます」


屋上という

静かで温かくて



青い空に一番近い場所で



私達バレー部3年は4人で円を描くように座り




お弁当を広げていた。




別にもういいかな



と、思う一心と
少し2人の様子が気になるという思いで




マスクを取ろうか悩んでいたが





「さっさと食え、葉鳥」


んで筋肉をつけろ




と、筋トレ大好きな鎌先の言葉に背中を押され



するりとマスクを外した。









「本題だけどなんであんな空気になったの」



箸をしまいながら

ちらりと視線を私へと向ける、茂庭




主将の言葉に続く、2人の視線




ズキっと痛む、鼓動



マスクから解放された顔が歪む



二口、という名前はだされてないけど


彼のことだろ本能で悟る。






「じゃあ、質問変えるね」






「葉鳥は二口のこと好き？」



１人の異性として




と、言葉を付け加える、茂庭

ニヤニヤと私を見る、笹谷と鎌先




脳内でフラッシュバックする


二口の横顔




頬が熱くなる。



ズキズキと痛くなる、胸





ああ。


私、二口のことが好きなんだ。





拒絶して

後から気付かされたこの感情の意味




自分の行動を振り返ってから後悔する、思考





二口にだけはマスク取った素顔を見られたくない



その過去に感じたこの思いは








二口に顔で選ばれたくない

本当の私を好きになってもらいたい






そんな自分勝手な感情だったんだ。

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