手のかかる後輩くん【二口堅治】

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「…ん？」




雲一つない、青空の下

屋上という1番空に近い場所で




暖かな風が
俺と葉鳥の間を巡る。




隣に座る
少女の透き通ったような綺麗な横顔を見つめる。





過去に嫌な想いを受けて
マスクという影に隠れて

自分の殻にこもったままだった彼女が




初めてその壁を壊してこっちに来てくれた。




初めて見る横顔はとても綺麗だった。





これでやっと
チームが一つになれたような気がして




嬉しさのあまり


明るく




部活の時涼しくなるんじゃないかと


話題をふったが






返ってきたのは予想外の答え






「二口には見られたくないのっ！！」





マスクを取ろうとした

本人、二口が原因だった。





でもさ？


二口には顔で判断されたくない



それは、



二口のことが好きで

過去にあったことが重なって



あいつにだけは中身で自分を見て欲しいってことに捉えられるのは




俺だけなのかな？





うーん


と、1人で思考回路をフル回転させていたら






「…いつも通り二口には接するように努力するから」



葉鳥が


不安な色と
女の子のような色合いを



重ねるように微笑んだ。






これはやっぱり…

思った事はすぐに口に出してしまうタイプなのか





「葉鳥は、二口のことが好きなんじゃないの？」






と、言葉を吐いた。

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