手のかかる後輩くん【二口堅治】

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「やっぱり思ってた通り綺麗に笑うね、葉鳥は」




お互いの笑い声がおさまるのを
見計らっていたかのように


タイミングよく言葉を投げかける



茂庭。




そんな彼に否定の意を込めて首を横に振る。





風が頬をくすぐる。

久しぶりに感じる感覚に違和感を少し覚える。








「あ。これで部活の時涼しくなるんじゃない？」



話題を変えようと
明るく、言葉を選んだ、茂庭



だけど
茂庭の言葉によってさらに私の表情は変化した。




部活の時


彼の声によって

二口の顔がフラッシュバックをおこす。




二口には顔みられたくない。
なぜかそう思ってしまう。



最近ずっと二口のことを考えてる自分も理解できない。




目を瞑ると浮かぶのは

生意気な後輩。








｢…二口には見られたくない…｣


｢え？｣



｢ふ、二口には見られたくないのっ！！｣




自身の口から飛び出た
大きな声



それに驚く自分と茂庭。


一瞬だけ
2人の間を通り過ぎる風の音だけが響き渡った。





「なんで二口？」


「…わかんない」





なんで？


と聞かれても答えが出てこない
でも、二口にだけは



奴にだけは







「顔で判断されたくない」

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