手のかかる後輩くん【二口堅治】

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その後も

休憩が終わる度に



二口がやってきたけどそれを全てかわした、私




気づけば
綺麗なオレンジ色の空は


すっかり真っ暗に染まっていた。




熱気が体育館に立ち籠る。





マスクのことが原因でこんなにも彼を避けている


周りから見たらきっとそんなことで？
と、呆れられるかもしれない


でも、私の中では

とっても大事なことで




見た目で判断されたくないっていう意思表示のつもり






だけど

二口の場合なんていうかそれだけじゃないんだけど




まあ、とりあえず彼にどう接したらいいのかわからない




と、いうことなんです








「はぁ…」


「溜息ついていると幸せ逃げますよ」


「もう、逃げてるよ〜…」



大きな溜息を吐き出しながら
試合で使った得点板を片付ける。



もう、ほんと
後輩のせいで先輩倒れちゃいそう



あれ、なんで私しか倉庫に居ないはずなのに声が返ってくるの…







「なっっ！？ふ、二口！？」


「先輩、さっきはよくも逃げましたね」





横を見ると
熱のこもっていない笑みを浮かべた



後輩、二口が立っていた。



どっと加速する、鼓動
危険信号を鳴らす、思考




やばい。





そう思った瞬間




「うわぁぁっっ」



悲鳴に似た声を上げ

転びそうになる体を支えながら




倉庫から脱出した。

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