俗に言う幼馴染ってやつです【赤羽業】

△02．優しい人 ページ3

「業君、、ごめんなさ、いっ」


休憩時間にはいり、一気に騒ぎ出す教室内。



様々な言葉が出る中で特に含まれているのが修学旅行についてそんな声が飛び交う


それらが行きかう中、隣の席で頬杖をつきながらぼんやりと黒板を眺めている



幼馴染の赤羽業こと、業君に謝る。



いまの私にはクラス中の中心ワードでもある修学旅行の修の文字も頭にはなかった。




「べつに気にしてないよ」


ぶっきらぼうにそう返ってくる、業君からの言葉に



そんなに痛いのかな、なんてさらにどっと不安が溢れかえる。






「ほ、保健、、し、つ行く…？」


自身の目からこぼれそうになる雫を押さる


極力、彼に自身の不細工な顔を見られないように髪の毛を触りながら



問いかけるが、返ってくる声に優しさは無く冷え切っていた




「いいってば」




そしてガタン、と効果音を立てながら椅子から立ち上がり



友達の潮田渚君のほうへ歩いていった。




幼馴染の後ろ姿を見送りながら、胸の奥にどんよりとした物が溜まるのを感じる



ああ。またやってしまった


業君を怒らせてしまった
いつもいつも彼を怒らせてしまう


その度に自分の馬鹿さに涙がでる。



彼は優しい
本当は私のことなんて嫌いなはずなのに

怒らせても
私が困ったり泣いたりしてしまったら



すぐに助けに来てくれる



優しい、人。


強い口調なのも
私のこの性格を直すための特訓。


だって、いつも優しそうに私を見てくれているから。




涙がでそうになるのを
我慢しながら歩いていく業君の背中を見ていたら




いきなり




「ねぇ。Aちゃん。修学旅行の班決まった？」




可愛らしい笑顔でひょっこりと視界に茅野カエデこと、茅野ちゃんが現れた。

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