俗に言う幼馴染ってやつです【赤羽業】

△16．思い ページ18

「えええ、っっと。あっああの」



あまりにも近すぎる幼馴染の存在に頬が赤く染まる



なんでこうなったのか、考えるだけ頭が痛くなった。




すると、ずっと黙ったままだった業君が口を開いたが、出てきた言葉は





「Aさ。俺のこと嫌いなんでしょ」


「で、ケンカしてるとこ見て怖くなっちゃったとか？」




私の予想の斜め上をいく答えだった。



怒られて好きにすればで、終わる気がしていた思考

だが、現実はまったく違うものであった




彼の冷たい言葉
あざ笑うかのような笑み

一気に、身体の熱が下がっていく



目の前にいる業君の鋭い視線に射抜かれた、私




嫌い？
私が？

業君のこと？なんで？


怖いわけないのに、嫌いになるわけないのに



どうしても上手く言葉を伝えることができない私


そんな自分が嫌になる
ほんと、だめな人間だな



彼の冷たい言葉が

心に突き刺さってズキズキと痛む




泣きたいわけでも悲しいわけでもないのに



なぜか。




「なんで泣くんだよ」




自然に涙が溢れ出た



ただ、ただ業君に嫌いじゃない。そう、伝えたかっただけなのに




「ごめん。泣かせるつもりはなかった」




苦しそうに謝罪の言葉を吐き出す、業君



そんな顔をさせるつもりもなかった


ただ





「嫌い、、なんかじゃないっ」

「っ怖いわけな、い」




この思いを伝えたかっただけなの

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