今日も私は夢を見る〖CS集〗 (ページ6)

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過去ページ6

【過去】

父がDVをしていた、それによって心を壊した母が私が12歳のとき虐待を始めた

最初はご飯が無かったりするだけだった、

だけどいつの日か、口に出すのも躊躇われる、辛く、酷い暴言と暴力が私達を襲った

そう、私”達”だ、

私には4つ下の弟がいた、可愛いく、純粋な、綺麗な少年だった

毎日の様に母が言う暴言、暴力から私は弟を守った、死ぬ気で守った

だって、私の生きる意味だったから、弟の為だ、ずっとそう思っていた

弟はよく貝殻を拾って持ってきてくれた、貝殻を私はずっと大切にしまっていた

それから2年経った今日も母からの『死ね』『産まなければよかった』そして暴力

私はずっと弟を守っていたつもりだった

弟は

『お母さんは何でいつも泣いてるの？僕達が産まれたから？…そっか、じゃあ』

『もう泣かなくていいよ』

そう母に告げて家を出た

私は追いかけた、死ぬ気で追いかけた、義手が取れたって、足がもげたって追いかけた

弟は海へ行った、そういえば弟は海が大好きだった

波の音も、綺麗な砂浜も

そういえば弟は花が大好きだった

私の宝物を増やしてくれた

そういえば弟はお母さんが大好きだった

もう泣かないよう自ら命を絶つほどに

家に帰りたくなかった、今は一人で居たかった、

あの純粋な少年の姿を忘れたくなかった

優しく溶け込む姿を静かに見つめる事しか出来なかった

『お姉ちゃんは来ないでね』

そう言い残し溶けていった

ニュースに載った、でもテレビ局では事故ということにされた

朝まで海を見つめていた私にテレビ局の人は知らないで良いと言った

家に帰った

目の前には手紙と、なんだろう、わかんないや、わかりたくもない

ただ、母が浮いていた

私は家にある服とお金を持って、家を出た

必死にバイトををして勉強も頑張って高校にも行けた

友達も出来た、だけど何か足りない

わかんない、もう、もう全部わかんないや、

でもこれは分かる、

私はちゃんと人を愛せたんだ、たとえ居なくなってしまっても

愛せた、その事実が嬉しかった、

そして少女は秘密を作った、いつか言う日が来るまで

言える日が早く来る事を一人の少女は願っていた