デビュー ページ43
七星side
6月28日
私をこの世界に導いてくれた
私を本当の子供のように愛してくれた
私に沢山の素晴らしい景色を見せてくれた
私にかけがえのない一生物の仲間をくれた
ジャニーさんの病室で、
滝沢くんから私たちに告げられた
SixTONESとSnow Man2020年の同時CDデビュー
そして、8月8日のJr祭りでのデビュー発表
目に涙が溜まるのを感じたけど、上を向いてこらえた。
ジャニーさんは私が泣くといつもすぐに怒っていたから。
だから絶対に貴方の前では泣かないと決めたの。
私は人生の約半分をジャニーズJrとして過ごしてきた。
メンバーのファンの子達から女だからと沢山嫌がらせだって受けたし、Jrの中でもわざと私を仲間外れにする子達だっていた。
最近は自分のせいでSnow Manがデビュー出来ないんだと悩んだ時期もあった。
正直、ここまで何度辞めようと思ったか分からない。
そして、やっと手にしたデビューの切符。
欲を言えば「YOUたちデビューだよ！」とジャニーさんの口から聞きたかった。
それから約1週間後の7月9日。
ジャニーさんは空へと旅立った。
何も考えられなくて、4日後に控えた音楽の日のリハにも行かずに家にひきこもった。
翌日、私の家にスノスト全員で乗り込んできた。
最初は無視したけど、北斗が緊急用として渡してあった合鍵を使ってオートロックを解除したため観念した私は部屋のドアロックを外した。
北斗を先頭に続々と部屋に入ってくる。
みんなはそれぞれ安心したような表情や怒った表情をしているが、北斗は無表情。
でも私は彼と24年間双子をやってきたから知っている。
北斗は怒りを通り越して無表情になるタイプなんだ。
子どもの時に北斗の大事にしていた物を壊してしまった時もそうだったと呑気に思い出していた私は、目の前に来た北斗に突然ビンタされた。
『痛い！何すんのよ！』
「お前こそ、いいかげんにしろ！昨日から全く連絡取れないし、俺達がどれだけ心配したと思ってんだよ！これから俺達デビューすんだろ！？ジャニーさんに俺達の決意を見て貰わなくていいのかよ！お前は！俺の妹は！ジャニーさんが唯一認めたジャニーズ事務所の女性アイドルだろ！？」
『そんなこと私だって頭では理解してる！覚悟は出来てたつもりだった。けど、いざジャニーさんがいなくなっちゃったら頭が真っ白になっちゃったの！デビューの瞬間を見て欲しかった！ずっと近くで見守って欲しかった！』
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作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年11月4日 22時
