向日葵の咲くおうち ④【雪】 (ページ38)

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🌻

……そういう話じゃない！

だけど、こめかみ付近の激しい痛みは酷くなるばかり。

諦めてひーくんに身を委ねる。

リビングから２階へつながる螺旋階段を登ると舘様が部屋のドアを開けてくれて、ひーくんが優しくベッドに下ろしてくれた。

『ごめん、ありがとう』

宮舘「電気は消したままにしとくね」

岩本「薬とか持ってんの？」

『あそこ…』

宮舘「カバン？開けるよ？」

『うん』

ここで阿部ちゃんも部屋に入ってきたようだ。

阿部「Aさん、お茶持ってきたけど飲める？カフェインがいいんだってよ。あと、冷やすものも持ってきたから頭とか首の辺り冷やそう？」

岩本「阿部、お前なんでそんな詳しいの？」

阿部「ん？いや、前にAさんが気圧について聞いてきたことあったから頭痛持ちなのかなって思って調べといたんだよね」

岩本「……すご」

阿部ちゃんは疑問に思ったことはすぐ調べて、知識を貪欲に吸収していて偉いなぁ。

頭がいい人の特徴なのかな。

阿部ちゃんが私の体をゆっくり起こしてくれて舘様がカバンから見つけてくれた病院で処方されている薬を常温の水で飲んだ。

その間にアイスノンを枕の上に置いてくれたので再び寝転がるとおでこに濡れタオルがのせられた。

冷やすと少し症状が軽くなった気がする。

陽葵『あれ〜！？ひまのおへやでみんなあつまってなにしてるのー！？』

深澤「ホントだ。どうかした？」

バタバタと走ってくる音がする。

いつもなら気にならない陽葵の大きな声も振動も今の私には毒だ…。

岩本「ちょっ、2人とも静かにして？」

陽葵『んぇ？なんで？』

岩本「ママ、頭痛い痛いだから」

陽葵『ママいたいいたいなの！？』

岩本「だから、しー！」

陽葵『……あっ！ごめんねぇ』

深澤「マジ？大丈夫なの？」

阿部「片頭痛持ちなんだって。安静にしてれば大丈夫だよ」

深澤「そっか」

宮舘「……陽葵、お昼ご飯作ってる途中だったから手伝ってくれる？」

陽葵『わかった！』

舘様が気を使ってか陽葵をお手伝いに誘ってくれて、2人はキッチンに降りていった。

そして、ふっかが呆れた顔をしながら部屋に入ってくる。