向日葵の咲くおうち ④【雪】 (ページ18)

今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:474,021 hit

・ページ18

🌻

渡辺「おはよ〜」

陽葵『おはよー！』

渡辺「あー、陽葵、今日から保育園か」

深澤「とりあえず陽葵は週3からだけどね〜」

渡辺「ふーん。陽葵、髪の毛結んであげよっか？」

陽葵『えっ！いいのぉ！？やったぁ！』

康二のせいで時間ないから助かるけど、陽葵さんよ。

俺が髪の毛結んであげてもそんなに喜ばないじゃん！

なんて少しムッとしながら自分の準備を済ませる。

持ち帰りの仕事で作った物をカバンにしまい、リビングに向かうと陽葵が嬉しそうに走ってきて俺の腰あたりに突進してきた。

深澤「うぉっ！」

陽葵『ふっか、みて〜！』

深澤「お、かわいいじゃん」

陽葵『でしょ〜！』

最近外見もだけど中身も益々女の子らしくなってきた。

嬉しいような、寂しいような、複雑な気持ちだ。

世の中のお父さんが娘のこと心配しすぎる気持ちが今ならよーーーーくわかる。

朝ごはんを食べて、もう家を出る時間になったけど陽葵は珍しく駄々をこねていた。

こうやって本気で嫌がっているのは、保育園に通い始めてから初めてのことかもしれない。

いつもは朝が弱いせいで眠くてヤダヤダ言ってるから。

そんな陽葵とAさんの言い合いは、玄関で繰り広げられている。

陽葵『やぁだ！ひま、ほいくえんいかない！』

『こら、陽葵！明日から保育園行くって昨日ママとお約束したでしょ！？お約束守れないの？』

陽葵『じゃあ、ママもいっしょにいくぅ！！！』

『ママは行きません！陽葵、お姉ちゃんなんでしょ？泣いてないで行きなさい』

陽葵『やだぁ。ママもいくのぉ！』

『なんでよー！ママは大人だから保育園で遊べないの！陽葵にはふっか先生がいるでしょ？』

陽葵『や！』

深澤「えっ」

陽葵さ〜ん、さすがにそれはふっか先生もちょっぴり傷つくぞ？

陽葵『だってぇ、ふっかせんせーはひまだけのものじゃないもん』

………かっ、かわいい！！！

俺は、目が赤くなるほど泣いてしまっている陽葵の目の前にしゃがんだ。