向日葵の咲くおうち ③【雪】 (ページ33)

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🌻

陽葵『ねぇ、ひーくん。なにしてあそぶ？』

岩本「うーんとね。陽葵、最近は公園にも遊びに行けないじゃん？だから、お庭にシーソー作ろうかなって思ってるんだけど、どう？」

陽葵『えっ！ひーくんがつくるの！？』

岩本「うん。初めてだから上手にできるか分からないけど」

陽葵『やったぁ！！！！』

岩本「陽葵もお手伝いしてくれる？」

陽葵『うん！』

岩本「じゃあ、まずは誰かお手伝いしてくれる人を探してきて？」

陽葵『わかった！』

俺が庭で届いたDIYのセットを開封していると、陽葵が『連れてきたよ〜！』と帰ってきた。

誰を連れてきたんだろう？と振り返ると、そこにはふっかと翔太がいた。

いや、どういう人選？笑

深澤「なんかよく分からないまま陽葵に連れてこられたんだけど〜！」

陽葵『だから、いっしょにひーくんのおてつだいしよっていったじゃん！』

深澤「なんのお手伝いよ！」

岩本「これ作ろうって話」

木材を指さした俺を見て、翔太が露骨に嫌そうな顔をした。

渡辺「は！？やだやだ！俺、そういうの無理！」

陽葵『なんでぇ？おねがい！しょっぴーもいっしょにおてつだいしようよぉ…』

でました！陽葵の必殺【ぴえんおねだり】

最近ラウールによって名付けられた陽葵がお願いするときの技で俺たちはこれに弱い。びっくりするほど弱い。

渡辺「……分かった」

陽葵『わぁい！！！しょっぴー大好き！！！』

ほらね。

……ってか、よりによって翔太かよ〜！

せっかく陽葵を独占しようと思ったのにさ！

それにしても便利な世の中だ。

DIY初心者の俺たちにも簡単に出来るように木材は切ってあるし、丁寧な説明書だってついてる。

電動ドライバーはシェアハウスの倉庫にあったやつを借りた。

………これ誰のやつ？

我ながら順調に進んでいたシーソー作り

(翔太はいつの間にか逃げてたけど)

そんな中、事件は突然起こった。

陽葵『あっ』

深澤「陽葵、危ない！！！」

岩本「え」

離れた場所からふっかの大きな声がして振り返ると壁に立てかけていた板が陽葵に向かって倒れてきていた。

俺は反射的に陽葵をかばって抱きしめると、すぐに背中に板が覆いかぶさってくるのを感じた。

良かった…薄い板だから全然痛くない。