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🌻
北斗「Aさんってば、相変わらずですね」
深澤「やっぱり、昔からなんだ…」
『ちょっとぉ、何の話？』
北斗「なんでもないよ、ほら、陽葵が呼んでる。」
『絶対あれはなんの用事もないよ〜』と言いながら陽葵の方へ行ったAさんを見ながら、微笑んだ北斗くんは優しい声で言った。
北斗「陽葵もAさんも幸せそうで良かったです。この目で確認できて安心しました」
深澤「俺達も2人のおかげで幸せですよ。あ、そうだ。連絡先交換しません？」
北斗「いいっすよ。俺も報告とか貰ったら安心です。ほら、Aさんって無自覚だからさ。陽葵も遺伝かな？ふたりとも無自覚人たらしなんですよ」
深澤「あー、分かるかも」
スマホで連絡先を交換しながら話を続ける。
北斗「俺たち家族は新しい人を見つけて幸せになってもらいたいと思ってるんです。そう言うと、いつもAさんは曖昧に笑って誤魔化しますけどね」
深澤「そうなんだ」
北斗「だから、今日はここに住んでる方がいちばんその可能性が高いのかなって見に来たっていうのもあるんですよ。皆さん、Aさんのこと少なくとも意識されてますよね？……もちろん深澤さんも」
深澤「……北斗くんって意地悪だね」
北斗「すいません。でも皆さんには期待してます。Aさんと陽葵が幸せな毎日を送ること、きっと兄貴も望んでると思うから」
深澤「……一応、心に留めとくわ」
俺たちの中で暗黙の了解となっている【Aさんに異性としての好意を見せない】という掟を誰かが破る時がいつか来るのだろうか？
Aさんが俺たちの中の誰かを受け入れる時がくるのだろうか？
考えてみたけど、想像もつかなかった。
俺はずっとここでみんなと笑って過ごせればいいと思ってるけど、みんなはどう思ってるのかな？
今は怖くて聞けないけど、できるだけこの平和で幸せな日々が続きますようにと願った。
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作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年12月11日 21時
