向日葵の咲くおうち ③【雪】 (ページ27)

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その人、誰！？ページ27

深澤side

今日は日曜日。

のんびりな時間がシェアハウスにも流れている。

キッチンでは陽葵とAさんがなにやらホットケーキを焼いているらしく甘い香りが漂う。

その匂いに吸い寄せられたのか、休日にもかかわらず、リビングにいるメンバーも多い。

今日は事前にAさんから『知り合いとシェアハウスで会いたいんだけどいいかな？陽葵のこともよく知ってるから喜ぶと思うの』と言われていた。

もちろん断る理由なんて無いから快く承諾したんだけど、俺たちは勝手に女の人だと思っていたんだ。

そしたら、陽葵が嬉しそうにAさんに話しかけた内容にびっくり仰天。

陽葵『ママ、ほっくんよろこんでくれるかなぁ？』

『喜んでくれると思うよ？陽葵も一緒に作ったって聞いたらきっと驚くね！』

ほっ、くん…？？？

え、ちょ、待って！？男なの！？

驚いたのは俺だけじゃなくて、リビングで各々好きなことをしていたみんなの動きが止まった。

それに気づいているのか、いないのか、うちの女性陣は話を続ける。

陽葵『ねぇ、ママ。ほっくん、まだぁ？』

『うーん、もうすぐ来るんじゃないかな？』

陽葵『はやくあいたーい！』

『そうだね。あ、陽葵ひっくり返さなきゃ！』

陽葵『むじゅかちいー！！！』

『がんばれ！練習しないと上手にならないよ？ほっくんのことビックリさせたいんでしょ？』

陽葵『そうだった！がんばる！』

いつもなら微笑ましいやり取りも、あいだあいだに出てくる【ほっくん】が気になって素直に笑えない。

ほっくんって誰なの！？

目の前の椅子に座る照の顔はかなり険しい。

絶対陽葵の出すほっくん好き好きオーラで妬いてんな？笑

ピロンピロンとうるさいスマホの通知。

確認すると、男9人の野郎組のグループが稼働中。

ラウ「みんな大変！今日来るって言ってたAさんのお友達って男性みたいだよ！」

目黒「え、マジ？」

ラウ「だって、ひまりんがほっくんって言ってるもん！女の子のあだ名に、くんってあんまり付けないよね！？」

阿部「うーん、それは男の人かもね」

佐久間「マジンガーZ！？ちょっと下降りるわ」

岩本「ねぇ、陽葵めちゃくちゃそいつのこと好きそうなんだけど、ムカつく。無理」

阿部「ちょ、照、落ち着いて」