向日葵の咲くおうち ③【雪】 (ページ23)

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ひとりじめページ23

渡辺side

妹と買い物していたところを陽葵に目撃され、距離を置かれてから1ヶ月ほど。

この前やっと誤解をといてからというもの陽葵は、また俺にべったりになった。

照と目黒の悔しそうな視線を感じながら、正直ニヤニヤが止まらない。

コロナによる自粛の影響で俺の出勤日は極端に減った。

今日は休みなので、いつもより少し遅く起床し、リビングに降りると陽葵が笑顔で走ってきて俺の腰辺りに抱きついた。

陽葵『しょっぴー、おはよう！』

渡辺「おー、おはよ。どうした？」

陽葵『しょっぴーおしごとおやすみだよね？』

渡辺「そうだけど。」

陽葵『ひま、きょうはしょっぴーといちにちずっといっしょにいる！』

渡辺「えっ！？どうして！？」

陽葵『いやなの？』

下からキュルキュルの目で見つめてくる陽葵。

世界一かわいいのでは？と真面目に思った。

渡辺「全然嫌じゃないけど。」

陽葵『よかった！ママ！しょっぴーいいよっていった！』

『今のは言わせたに近い気がするけど……陽葵良かったね！しょっぴー本当に大丈夫？』

渡辺「別にすることないし、俺は嬉しいけど。」

『ふふ、じゃあお願いね。あと陽葵の要望で私は今日、陽葵が寝るまで一切、手を貸しません！』

渡辺「えっ。」

陽葵『ひま、しょっぴーとふたりがいいの！』

『だそうですので、ご飯もお風呂も寝かしつけも全部お願いします。笑』

渡辺「えぇ…。」

こうしてみんな家にいるのに何故か誰も助けてくれない陽葵との一日が始まった。

……照が悔しそうにこっちを見てるけど。

とりあえず陽葵の要望で俺の部屋へ。

ニコニコしながら部屋を探検している陽葵に声をかける。

渡辺「ねぇ、なにしたい？」

陽葵『かみのけ、むすんで！』

渡辺「おー。いいよ。」

陽葵『わーい！』

陽葵を床に敷いてあるラグの上に座らせて、髪の毛を編み込んでいく。

器用なAさんは、俺が陽葵にやってあげたアレンジをすぐに習得してしまい、それが悔しかった俺はどんどん難しいアレンジをするようになった。

その分勉強も沢山するようになって、いつの間にかサロンで1番アレンジが得意になっていたらしく、最近ではネット予約サイトの美容師紹介欄に【大事な日のアレンジは彼に頼むのがオススメ！】と店長に勝手に書かれていた。

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