向日葵の咲くおうち ③【雪】 (ページ17)

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通知表ページ17

ラウールside

某感染症の影響で、最近のシェアハウスは昼間でも人が多い。

僕の学校は休校で、もちろん部活も禁止。

阿部ちゃんの働く塾もお休みだから、ほとんど家での仕事だし、佐久間くんの会社は週の半分を在宅勤務にしてるみたい。

しょっぴーと岩本くん、めめはサービス業だから仕事が少し減ってるらしいけど、通常通り出勤してる。

康二くんはキャンセルの仕事も多くて、珍しく時間が出来たから、次の写真集の構想を練る時間にするって言ってた。

舘様はイベントの中止などでお花のキャンセルが相次ぎ、色々と大変らしい。

それでもゆきだるま保育園は開園しているから、ふっかさんは毎日お仕事に行っているけど、ひまりんはAさんが家にいる為お休みしている。

陽葵『ひま、おうちあきた！ゆうえんちいきたい！』

『陽葵、いま遊園地あいてないよ？』

陽葵『なんで？』

『この前言ったでしょ？怖い病気になっちゃうかもしれないから、今はおうちにいなきゃ行けないの』

陽葵『むー』

終わりの見えないこの状況に、ひまりんもかなりストレスが溜まっているようだ。

あの手この手で、ひまりんを楽しませようとしているみんなを横目に僕も早く部活のみんなと踊りたいなぁ…と思いながらダンスの自主練をしていると、ひまりんが走り寄ってきた。

陽葵『ひまもおどる！』

ラウ「一緒に？」

陽葵『うん！』

ラウ「じゃあ一緒に踊ろ！」

かけた曲は最近ひまりんがハマっているアニメのOP。

ひまりんは『すのおまん』って呼んでるんだけど、ひらがな表記の読み方になっちゃってて、すごく可愛い。

本人は至って真面目だから、そんなこと言ったら拗ねちゃうから言わないけどね。

陽葵『やっぱり、ラウのダンスはかっこいいね！』

ラウ「ほんと？ありがとう」

ひまりんはいつも僕のダンスを褒めてくれる。

ここだけの話、コーチに褒められるよりも嬉しいんだ。

Aさんが作ってくれたお昼ご飯を食べると、お腹いっぱいになった陽葵は幼児らしくおねむの時間。

テレビを見ながらむにゃむにゃ言ってる。

そんな時、いつもタイミング良く登場するのはめめ。

目黒「陽葵、ねんねしよっか」

陽葵『……れんくん、だっこ』

目黒「はいはい」