向日葵の咲くおうち ③【雪】 (ページ1)

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まいごのひまりちゃんページ1

阿部side

休日、Aさんは出かけていて、代わりに陽葵を預かった俺は公園に遊びに来ていた。

そこで、たまたま道を通り掛かった塾生に話しかけられて軽く立ち話。

これから本屋に参考書を買いに行くという塾生に手を振り、ふと公園に目を戻すとしつこいくらい繰り返し滑り台を滑っていたはずの陽葵がいなくなっていたのだ。

阿部「陽葵！？」

陽葵は賢い子だから勝手にどっかに行ったりしないと、心の中で決めつけていた俺の責任だ。

Aさんから預かっている大切なこどもなのに目を離すなんて。

俺はスマホを片手に走り出す。

公園の中を探しながら、シェアハウスのグループ通話を開始すると何人か出てくれた。

深澤「あべちゃん、なにー？」

佐久間「どうしたの？」

阿部「陽葵がいなくなった！」

深澤「え？」

岩本「おい、阿部。どういうことだよ！」

阿部「ごめん、ちょっと目を離した隙にいなくなってた」

岩本「てめー、マジでふざけんな！」

深澤「ちょっと照、落ち着いて！今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ」

佐久間「とりあえず俺たちも探しに行くよ！遊んでたのって雪だるま公園でしょ？陽葵の足じゃ、まだそんな遠くまで行ってないはずだし」

阿部「ごめん、よろしく。」

そんな騒動が起こっているとは露知らず。

陽葵は呑気に歌を歌いながら、たまたま見かけた猫を追いかけていたみたい。

『♪〜ねこふんじゃった、ねこふんじゃった〜♪……あ、りょーくんひまのことさがしてるかな？』と、ふと俺の事を思い出したところで、捜索に合流した佐久間に発見されたらしい。

佐久間「陽葵！！！」

阿部「いた！？」

陽葵『あれ〜？さっくんとりょーくんだ！』

佐久間「怪我は！？怖い思いもしてないね！？」

陽葵『うん』

阿部「っ、良かった…。」

俺たちに強く抱きしめられたが、事の重大さに気づいていないため、びっくり顔の陽葵。