結婚はまだ早い ページ10
ラウールside
最近の急激な寒暖差にやられたのか、ひまりんが熱を出してしまったのでシェアハウスのみんなが朝から大騒ぎしている。
向井「陽葵、大丈夫？」
阿部「大丈夫じゃないよね？辛いね」
佐久間「俺の嫁、貸してあげよっか？」
そう言って佐久間くんがさしだしたのはアニメキャラのぬいぐるみ。
確かこの前ひまりんが抱きしめて家の中を歩いていた。
目黒「佐久間くんなんすか、その子」
佐久間「ん？これはどっからどう見てもダイヤちゃんであります！！！」
陽葵『いりゃない』
渡辺「……だよね。笑」
佐久間「陽葵、なぜだ！？なぜなんだ！？この前はすごく可愛がってくれたでは無いか！」
岩本「お前無駄なことすると陽葵に嫌われんぞ？」
宮舘「陽葵、なになら食べられそう？作るよ？」
深澤「陽葵のいない保育園とか行きたくない！」
こんな感じでAさんと陽葵の部屋に全員大集合。
そこにAさんがやってきた。
『もー、みんな集まりすぎ！そんなに心配しなくても多分ただの風邪だよ！病院は後で私が連れてくから！はい、みんな準備！早く！』
みんながAさんに背中を叩かれて部屋から追い出される中、視界の端で寂しそうなひまりんが見えたのでAさんとみんなをかわしてベッドに近寄る。
ラウ「ねぇ、ひまりん。我慢しないで言いたいことは言っていいんだよ？」
陽葵『……ひま、がまんちてない』
そう言いながら目をうるませるひまりん。
ラウ「あぁ、泣かないで」
ハンカチがないから、とりあえず服の袖で涙を拭うと
『ﾋｯｸ……ラウ、いっしょにいて？』
そう言って僕の服の袖を小さな手で掴むひまりん。
え！なんなの、可愛すぎじゃない？保護！
ラウ「うん、分かった。一緒にいるよ」
なんと今日は年に一度の開校記念日で高校が休みなのだ。
だから部活も休み。
本当は友人達とダンスの自主練しようと思ってたけど、暇だから行くって言っただけだし。
僕のひまりん溺愛具合は部活中に伝わってるから、説明すれば誰も言わないだろう。
陽葵『ほんちょ？』
ラウ「うん、本当。約束する」
そう言って2人で指切りげんまんすると、ひまりんは少しだけ笑ってくれた。
でも、やっぱり熱が上がってきたのか辛そうに息をしていて、こっちまで苦しくなってくる。
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作者名：Sakuya
| 作成日時：2020年11月28日 13時
