向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ7)

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雪だるまつくろうページ7

渡辺side

陽葵『しょっぴーおきて〜！！！』

朝からドア越しに聞こえる陽葵の大きな声で目が覚めた。

陽葵が休日の俺を起こしに来ることは滅多にないので何かあったのかと思い、飛び起きて部屋のドアを開けるとニコニコしている陽葵が立っていた。

陽葵『あ、しょっぴーおきた！おはよ！』

渡辺「陽葵、おはよう。どうしたの？」

陽葵『はやくきて！』

渡辺「え、なに！？」

俺の手をとり、リビングへ繋がる階段を下りていくと、そこにはキッチンで何かをしているAさん。

『あ！こら、陽葵！翔太くんのこと無理やり起こしたんでしょ！？みんな疲れてるから起こしたらダメって言ったのに！』

陽葵『……ごめんなさぁい』

渡辺「ちょっ、Aさん大丈夫だから！陽葵もそんな悲しそうな顔しないで？」

『もぉ、翔太くんもそうやって甘やかす…』

渡辺「しょうがないじゃん。陽葵が可愛いんだもん。それで、陽葵はどうして俺の事起こしたの？」

陽葵『あのね！ゆき！いっぱいなの！しょっぴーにもみせたかったから！』

渡辺「えー、ガチで積もったの？」

陽葵を抱っこしてリビングの大きな窓の前に立ちカーテンを開けると一面に銀世界が広がっていた。

東京にしては珍しく沢山降ったようだ。

これは公共交通機関が乱れるだろうな…と、まず初めに思ったのは大人になった証拠だろう。

一方、腕の中の陽葵は大興奮。

陽葵『しょっぴー！ひま、ゆきだるまつくる！』

渡辺「えー、寒いじゃん。風邪ひくよ？」

陽葵『むぅ。じゃあさっくんおこす！おろして！』

俺の腕から脱出した陽葵はAさんに怒られながらも、次のターゲットのもとに向かったようだ。