向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ40)

今日:34 hit、昨日:247 hit、合計:647,927 hit

バレンタインページ40

Aside

今日は2月14日。

世間がバレンタインで賑わう日。

ここに引っ越してきてから初めてのバレンタインだけど、シェアハウスのみんなは揃いも揃ってイケメンだし、もしかしたらびっくりするほど貰ってくるのでは？と勝手に予想している。

だけどみんなの陽葵溺愛加減から察するに陽葵からのチョコも欲しがるに違いないので、実は昨日、保育園のママ友とキッチンスタジオを借りて子供たちと一緒に作ったものをバレないように無駄に大きいうちの冷蔵庫の奥にしまった。

朝、心なしかいつもよりそわそわしているみんなに陽葵は理由を知ってか知らずか『みんな、どうしたのぉ？』と話しかけている。

深澤「いや、別に、なんでもないよ！？」

佐久間「あー！なんか甘い物食べたいなぁ！」

ラウ「茶色くて甘いお菓子食べたいな！」

深澤「ちょ、お前ら！」

さっくんとラウールくんのあからさまなアピールが、もはや可愛い。笑

でもまぁ、うちの娘さんは、いつの間にか小悪魔ちゃんに育ったからさ。笑

陽葵「きょうのあさごはん、ホットケーキだよ？ラウール、チョコソースかける？」

なんて、チョコくださいアピールをかわしている。

我が娘ながら末恐ろしいわ…。

朝出発組を送り出して、家事をこなし、時間が余ったからせっかくだしケーキでも焼こうかなとスマホで検索すると見つけたのはチェッカー柄のケーキ。

サンセバスチャンというらしい。

見た目も可愛いしこれにしよ〜と作り始めると熱中してしまい視線に全く気づいてなかった。

ぱっと顔を上げると、そこにはひーくんがいた。

『あ、ひーくんおはよう。』

岩本「おはよう。ねぇ、それ誰に作ってるの？」

『え？シェアハウスのみんなにだよ？』

岩本「ふーん、そっか！楽しみ！」

『もしかして他に誰かあげる人いると思った！？』

岩本「だって、Aさんモテるじゃん。」

『いや、それどこ情報！？シングルマザーで、しかもほとんどこの家にいる私がどこでモテるのよ！』

岩本「知らないならいい！」

『えぇ…？』

岩本「ケーキ楽しみにしてるね」

『うん、ありがとう！』

ひーくんは一体なんだったんだ…。

他にあげる相手なんているわけないのにさ！！！

無事に焼きあがったケーキは陽葵にもバレないところに隠して、ちょうど時間になったので陽葵を保育園に迎えに行く。