向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ31)

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クセが強い読み聞かせページ31

佐久間side

俺の勤務している出版社は、俺が担当しているライトノベルの他にもマンガや小説、参考書など様々な本を取り扱っている。

その中でも今、特に力を入れているのが絵本らしくモニターの未就学児探しているらしい。

同期の集まりでその話を聞いた俺は、早速シェアハウスに帰ってAさんに相談した。

佐久間「Aさん、今うちの会社で未就学児のモニターを探しててさ、良かったら陽葵どうかな？絵本タダで貰えるくらいしかいい事ないんだけど。あと、会社の中に入れる？」

『へー！陽葵が行きたいって言ったら全然いいよ？多分行きたいって言うと思う。陽葵、みんなの職場行くの大好きだから』

佐久間「マジ？ありがとう！陽葵に聞いてくる！」

早速、テレビで教育番組を見ている陽葵に近づく。

佐久間「陽葵！絵本好き？」

陽葵『すきだよ！』

佐久間「じゃあ、今度さっくんのお仕事のお手伝いしてくれない？」

陽葵『さっくんのおしごといっしょにいっていいの？』

佐久間「うん！」

陽葵『ひまり、いく！』

佐久間「ホント！？ありがと！」

すぐに同期に連絡して、日程を決める。

陽葵の保育園が終わってから、Aさんが本社まで連れてきてくれることになった。

当日。自分の仕事を終えると、事前に伝えておいたが部長に許可を取って陽葵をロビーまで迎えに行く。

Aさんと手を繋いでる陽葵は俺が見えるとぱーっと笑顔になり『さっくん！』と大きな声を出してAさんに怒られていた。

Aさんは恥ずかしいからと一緒に社内入ることを拒んだので陽葵を預かることに。

『陽葵、さっくんの言うことちゃんと聞くのよ？』

陽葵『わかってる！なんかいもきいた！』

佐久間「ふはっ。じゃあ行こっか」

陽葵にきちんと来客カードを貰って、社内を手を繋いで歩いていると、当たり前だけどやたらと感じる視線に苦笑い。

途中で同期の女の子に話しかけられた。

【あれ〜？佐久間くんの娘さん？結婚してたっけ？】

佐久間「してねーよ。この子は今住んでるシェアハウスの管理人さんの娘ちゃん。かわいいっしょ？今日は絵本のモニターとして来てもらったの」

陽葵「はなざわひまりです！」

【かわいい〜！佐久間くん、デレデレだね。笑】

佐久間「あ？バレた？」

【バレバレだよ。また同期で集まった時に話、聞かせて？ひまりちゃん、楽しんでね。バイバイ！】

陽葵『お姉ちゃん、ばいばーい！』