向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ18)

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インフルエンザ騒動ページ18

深澤side

「おはよー」

いつものように朝起きてリビングに行くと誰もいなくて、もぬけの殻状態。

Aさんがこの時間に起きていないなんて初めてのことで驚きを隠せない。

え……！？もしかして俺だけ家に取り残されるドッキリされてる？

なんて馬鹿なことを考えていると「おはよう。珍しく寝坊しちゃったよ」と2階から降りてきた舘様に、Aさんが起きていないことを伝えるとやはり驚いた顔をしている。

だってAさんは過去に高熱を出しているのにも関わらず、いつも通り5時に起きて家事をしようとした人だから。

そんなAさんが6時半に起きてないのは、何かあったのではないかと心配になる。

ただの寝坊なら全然いいんだけど…。

深澤「やっぱり様子見に行った方がいいよね？」

宮舘「そうだね、明らかにおかしいよ。Aさんが起きてこないなんて初めてだし」

深澤「とりあえず部屋の前まで行くか〜」

別にAさんに言われたわけではないんだけど、俺たちの中でAさんが部屋にいる時は基本的に部屋に入っては行けないというルールがある。

だから、とりあえず部屋の外からノックして呼びかけてみることに。

深澤「Aさーん？起きてる？」

宮舘「陽葵〜？」

何度か呼びかけるも反応なし。

え？まじでやばくない？

俺たちの声で隣の部屋の阿部ちゃんが起きたみたい。

阿部「おはよう、どうしたの？」

深澤「Aさんが下にいなくて、陽葵も反応なし」

阿部「あ、そういえば昨日の夜すごい咳き込んでるのが聞こえた」

深澤「まじで？やっぱり体調不良？」

宮舘「やむを得ないし、入ろっか」

阿部「そうだね」

宮舘「Aさん、入るよ」

部屋に入ると、苦しそうにベッドで横になる2人が見えた。

Aさんは俺たちと目が合うと困ったように笑う。

深澤「ちょっと、大丈夫！？」

『ごめんね、みんなの声は聞こえてたんだけど、陽葵がしがみついてて動けなくて。起きるとぐずるだろうから、大きい声も出せないし。これ多分インフルエンザだから、みんなは近づかない方がいいよ…』

阿部「いやいや何言ってんの。放っておくとか、そんなの無理だから」

宮舘「ちょっと待ってて」

舘様が自分の部屋からマスクを持ってくると俺たちにも渡してくれた。