向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ17)

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宮舘「ねぇ、Aさん。俺が言わなくても、わかってると思うけど、陽葵はAさんのこと大好きだよ？きっと、今回は勢いで思ってないこと言っちゃっただけ。陽葵は本当にいい子に育ってると思う。それはAさんが一人で頑張ってきたからだよ。だから自信もって？」

『舘様ありがとう。そう思ってたんだけど、自信なくなっちゃった。旦那がいなくなってから、彼の分まで陽葵のことを愛してきたつもりだった。けどやっぱり私だけじゃダメなのかなって。確かに彼は不慮の交通事故で亡くなったけど、陽葵を片親にしてしまったのは事実だし。やっぱり母親失格だよ』

宮舘「それは違う。Aさんは望んで片親になった訳じゃないでしょ？旦那さんだってこんなに可愛い2人を残していったこと、きっと無念だったと思う。陽葵にパパの記憶が無いなら、Aさんが教えてあげればいいでしょ？Aさんは知ってるはずだ。陽葵がどんなにパパに愛されていたか」

『………そっか。そうだよね。私が思い出すと辛いから、陽葵にはあんまりパパのことは話してこなかった。だから、お友達に言われてパパに会いたいって突然強く思い始めたのかもしれない。彼のことを知る権利は陽葵にもあるもの。きちんと私たちに愛されて産まれてきたんだって知らないままじゃダメだよね』

そう言ってAさんはベッドサイドに伏せていた写真立てを戻した。

そこには以前リビングで見た3人の写真とは違う、大きなお腹のAさんと、そのお腹を愛おしそうに触れる旦那さんの姿。

宮舘「すごくいい写真」

『こうやって過去に向き合おうと思えたのも、全部みんなのおかげだよ。ここに来て本当に良かった。陽葵の笑顔が物語ってる。私だけじゃこんな幸せあげられなかったもの。だから、ありがとう』

宮舘「Aさんと陽葵が来てから毎日みんな楽しそうなんだ。もちろん俺も。だから、こちらこそありがとう。それと、これだけは信じて？Aさんは世界でいちばん素敵なママだよ」

『もー、舘様はいちいち大げさ！でも、ありがとう』

そう言って笑顔を見せたAさん。

陽葵と重なるこの笑顔が俺は大好きなんだ。

そこで佐久間と陽葵が部屋に来て、2人は仲直り。

パパの代わりになるなんて無責任なことは言えないけど、俺たちはそれくらい2人のこと大切に思ってるよ。