向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ16)

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世界一のママページ16

宮舘side

経営する花屋の定休日。

他店から学ぶことも多いため大きな駅の花屋を覗いたり、趣味の服や靴を買ったりして、リフレッシュできた。

夕方になり、Aさんが夕食を作り始めるころなので手伝うためにシェアハウスに帰宅すると感じたのは、ただならぬ雰囲気。

陽葵は佐久間の腕の中で大号泣だし、その近くでラウールはオロオロしているし、キッチンにいるはずのAさんの姿は見えない。

「どうした？」と佐久間に聞くと困った顔をして「いや、ちょっとね。ラウールから聞いて貰える？ちょっとAさんの様子見てきて欲しい」と言うので、ラウールに話を聞いて頭を抱える。

ひとまずこの状況を理解した俺はとりあえずラウールに勉強に戻るように言うと少し複雑そうな顔をしたけど大人しく部屋に戻っていった。

きっと何も出来なかった自分がもどかしかったんだろう。

いいんだよ。まだラウールは子どもなんだから。

俺は未だに泣き叫ぶ陽葵に背を向けて2階へ向かう。

そしてAさんと陽葵の部屋の前に立ち、ドアをノックした。

『……はい』

宮舘「Aさん、入ってもいいかな？」

『舘様…？帰ってたんだね。おかえりなさい』

宮舘「うん、そう。ただいま」

『もしかしなくても、さっくんに言われてきた？私は大人だし、大丈夫。それより陽葵が迷惑かけてるよね。やっぱり私が…』

宮舘「ねぇ、大丈夫かどうかは俺が判断するから顔を見せてくれないかな？陽葵のことは佐久間に任せて。あいつはああ見えて結構叱るのが得意なんだよ」

無言の時間がしばらく流れた後、ガチャッと部屋のドアが開いた。

そこにはとても大丈夫そうではない泣き腫らした目をしたAさんがいた。

『ごめんね…こんな顔で恥ずかしい』

宮舘「そんなことない。Aさんはいつだって可愛いよ」

『もう、舘様はいつもお世辞が上手なんだから』

宮舘「俺はお世辞なんで言わないよ？」

『ふふ、ありがとう』

Aさんの腰に手を当ててベッド誘導して2人で並んで腰かける。