向日葵の咲くおうち ②【雪】 (ページ15)

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🌻

泣かせるかもと思いながらも、わざと厳しい言葉をかけたのには理由がある。

Aさんは陽葵を片親にしてしまったことに負い目を感じていて、このことに関して強く叱ることが出来ないことを知っているからだ。

陽葵はきちんとふたりに愛されて生まれてきたことを自分で理解して欲しかった。

そのことを会ったことは無いけれど旦那さんも望んでいると思うから。

陽葵『ひまり、ママにごめんなさいする』

佐久間「うん。じゃあ、行こう」

陽葵ならそういうって信じてたよ。

だって、Aさんが愛情を込めて育てた子だもん。

部屋の前に立つと中からは舘様がAさんを優しく慰めている声が聞こえる。

佐久間「Aさん。陽葵が言いたいことあるんだって。開けてもいい？」

『……うん』

ドアを開けるとベッドに腰かけ、舘様に背中を優しくさすられているAさん。

陽葵はそんなAさんの目の前に立つと、はっきりと言った。

陽葵『ママ、ごめんなさい。ひまり、ほんとうはママのことだいすきだよ』

『陽葵…』

陽葵「ママは、どこにもいかない？ずっといっしょ？」

『っ！！！行くわけないじゃん。陽葵を置いてどっか行ったり絶対しない。約束する』

陽葵「うわーーーーん！！！」

安心したのか、俺に怒られている最中は全く泣かなかった陽葵が突然泣き出した。

そんな陽葵を抱きしめるAさんを見て、やっぱりこの親子をみんなで守っていきたいなと思ったんだ。

ちなみに暫くの間、陽葵が俺の事を警戒していたのはここだけの話。

普段怒らないからびっくりしたんだろうね。

俺だって大人だから悪いことしたら怒るよ？笑