愛を結ぶ天使【赤】 (ページ5)

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5. この関係に名前をつけるならページ5

❤

それから、なんとなく落ち着かなくて無駄に凝った料理を作ったりして時間を潰していたらピンポーンとインターホンが彼の来訪を知らせた。

『いらっしゃい』

「おじゃまします」

彼は玄関で脱いだ靴を綺麗に揃えると、荷物をソファーに置いてネクタイを緩めた。

『着替え、いつもの所にあるよ』

「ありがとう」

脱衣所に向かう彼の背中を見ながら、これだけ見たらただのカップルだよな…なんて自分で考えて虚しくなった。

元々友人の私たちはそういうことだけじゃなくて、普通にご飯を食べたり映画を見たりもするから、所謂、都合のいい関係というものに当てはまるのか怪しい。

ひとまず無駄に手間暇かけて作った料理を彼に振る舞う。

料理上手の彼に手料理を振る舞うのは毎度の事ながら緊張するけど、彼はいつも美味しいと褒めてくれる。

自分が料理をするからこそ、作ってくれることへのありがたさが分かるんだと言っていたのを思い出した。

無言の食卓。

私がチラチラと彼の方を見ても、彼はこの状況をなんとも思ってないみたいで私の作った夕食を黙々と食べている。

うーん。なんて言い出せばいいか全然分からない！

でも、今日絶対に言うって決めたんだ。

お腹に手を当てると不思議と勇気が湧いてくる気がした。

赤ちゃんも応援してくれてるのかな？

「ごちそうさまでした」

『お粗末さまでした』

「洗い物は俺がするからAはお風呂でも入ったら？」

『うん。ありがとう。でも、あのね、その前に話したいことがあって！』

「ん、そうなの？分かった。じゃあ、お皿水につけたら聞くから座ってて待ってて？」

『う、うん』

彼にバレないように、そっとカバンからエコーの写真を取り出して部屋着のポケットにしまった。