SNOW SNOW SNOW 2号店 (ページ39)

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いつもおちゃらけている彼はどこへやら。

真剣な瞳が私を捉えて離さない。

産まれてからずっと一緒にいたのに、私はどうして彼からのこんなにも大きな愛に気づいてこなかったんだろう。

そこで、ふと思い出したのは5歳くらいの時に幼稚園で行った遠足での彼との思い出だった。

「わぁ、おそらみて！ひこうきだ！かっこいい！」

『ほんとだ！たつやくんはひこうきすき？』

「うん！だって、たくさんのひとをのせてとおくまでびゅーんってとんでいくの、すごいもん！」

そう言ってキラキラした眼差しで
空を見上げる彼を見て、
私は飛行機に乗る仕事に憧れたんだ。

きっと幼い頃の私は飛行機に乗って、
辰哉を笑顔にさせたかったんだと思う。

そう考えたら、あの日見てた夢は
今、形を変えて叶っているのかもしれない。

『辰哉』

「ん？」

『私に愛を教えてくれてありがとう』

「えー？俺は、まだ全然伝え足りないけど？」

『……程々でお願いします』

「じゃあ、とりあえず今から態度で示していい？ベッド行こ。はい、しゅっぱーつ！！！」

『ちょっ、えっ！？待って！この変態！！おろして！！』

「なぁに？全く聞こえませーん♪」

ねぇ、辰哉。

これから私たちはもっと強くなれるよね？

だって二人一緒だから。

そしていつか、この辛かった出来事も
笑って話せる時が来るって、信じて前に進もうか。

Fin

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紫色の表紙のテーマは【生きていれば】です。

とある有名なグループの曲をモチーフに書きました。

『必ず夢を持つとか背負わなくていい』

こんなご時世だからこそ、響く曲だなと思います。

ぜひ、聞いてみてください。