10話 コナンside ページ10
コナン「A姉ちゃん!!」
Aの病室に駆け込むと、Aはベッドの上で上半身を起こしていた。俺の声を聞いてか、こちらに視線を向けるAだが、その表情はどこかぼんやりしていて・・・
コナン「A、姉ちゃん…?」
いつもと違う彼女の様子が気がかりでその名を呼べば、Aの口から発せられた言葉は予想もしていないことだった。
A「坊や……誰…?」
様子がおかしいどころじゃない、これは・・・頭ではわかっていても、理解したくないという思いが強く、どうしても違う考えを浮かべようとしてしまう。
だが、おっちゃんが自分の名を主張しても、蘭や園子が涙ぐんでいても、暗い表情のままうつむく彼女の姿に、理解せざるをえなかった。・・・間違いない、記憶喪失だ。
少し立つと、風戸先生がやってきてAの診察を始めた。自分が誰だかわかるかという質問や、今日何があったかわかるかという質問には首を振ったAだが、アメリカの首都や5×8の答え、ボールペンの芯の出し方などは難なく答えた。
診察が終わったあと、来られないAの両親に変わり、おっちゃんや俺たちが話を聞いていた。蘭や園子は、眠ってしまったAのそばについている。
小五郎「逆行健忘・・・」
突然の疾病や外傷によって、損傷が起こる前のことが思い出せなくなる記憶障害の一つらしい。・・・Aの場合は、目の前で佐藤刑事が撃たれて強い精神的ショックを受けたのが原因だろう。だが・・・
目の前で大切な人が撃たれたとなれば、彼奴がショックを受けるのは必然だが、記憶喪失になるほどだったのは、他に何かAの心を抉るようなことがあったからじゃないのか・・・?
白衣に着替えた北条霊夢は、休憩室でティーカップを片手に自分の夫、つまりAの父親である北条刹那に電話をかけていた。
刹那「逆行健忘?Aが?」
霊夢「ええ、強い精神的ショックを受けたことが原因みたい」
刹那は霊夢の話を聞きながらわずかに眉をひそめる。どうやらコナンと同じ考えに行き着いたらしい。
刹那「Aがそれほどの精神的ショックを受けるとなれば、その刑事が撃たれたことに何かしらAの責任がある。・・・そう推測できるな・・・」
話を聞いてすぐにそこまで思いつくとは、さすがはゼロの人間。・・・いやそれ以上に、さすがは父親といったところだ。それから一言二言会話をすると霊夢は電話を切り、娘の病室へと向かっていった。
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フランドール - ゆうみんさん» コメントありがとうございます。そうなんですよ!いいところで話が続かない、私、いつもそうなんです。学校が忙しくて更新遅いですが、楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年7月16日 19時) (レス) id: e0624ff3f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - そうだよね,いつもいいところで話が続かない、彼女ちゃんの気持ちわかる、次回楽しみです (2019年7月14日 18時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
フランドール - 美紀さん» コメントありがとうございます。私もコナンや新一、それから他のキャラも大好きです。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: e0624ff3f8 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年7月8日 14時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フランドール | 作成日時:2019年7月6日 20時