35話 ページ35
咲夜「・・・ねえ、新一・・・」
あれからしばらく哀と会話をして、博士と新一が奥の部屋から出てきたタイミングで再び博士に庇ってもらったことへのお礼を言い、今は新一とソファに座っている。
コナン「・・・なんだよ・・・」
何故だか知らないが、新一はあの件の後からどこか余所余所しい。かといって怒っているというわけではないようなので、私としてもどうしていいかわからなかったが、伝えておかないことが2つほどあるため声をかけた。
咲夜「・・・これ、ありがとね・・・」
胸ポケットに入れていたヘアピンを手のひらにのせ、新一に見えるようにしながらお礼を言う。・・・このヘアピンは紛れもなく、松田さんからもらった私の一番大切なものだ。私が救急車で運ばれたときに取れかけていたヘアピンを、記憶がなくなっていた間ずっと新一が預かっていてくれたらしい。
咲夜「記憶が戻った後割とすぐに渡してくれたおかげで情緒不安定にならずに済んだし、何よりなくなってたら記憶をなくすよりもひどいことになってたかもしれないから・・・ほんとにありがとう」
笑顔を浮かべてそう言うと、顔をわずかに赤く染めた新一は視線を外しながら「ああ・・・」と小さく声を発して、
コナン「オメ―にとって、一番大切なものだって知ってるから・・・」
赤く染まった顔を腕で隠しながら言葉を発するその姿が、ほんの少しあの人と重なって見え、私は目を見開いて新一を見つめる。
コナン「な、なんだよ・・・」
咲夜「・・・何でもないわ・・・あともう一つ、私の記憶を戻すために、あんなこと言わせてごめんなさい」
どうやら新一はピンときていないようで、首をかしげている。・・・意外ね、好きでもない奴にあんなことを言ったんだから気にしてると思ってたのに・・・
咲夜「ほら、英理さんがホテルで話してた小五郎さんのプロポーズの言葉、『お前のことが好きなんだよ。この地球上の誰よりも』ってやつ・・・記憶を取り戻すためとはいえ、好きでもない人に告白するみたいで、いやだったでしょ?」
コナン「え・・・おっちゃんも・・・!?」
何故か驚いた様子の新一に、首をかしげる。・・・もしかして、英理さんの言っていた言葉を聞いただけで、小五郎さんのプロポーズのことがだとは知らなかったのかしら・・・
咲夜「今度はちゃんと、好きな人に伝えてあげてね」
そう伝えるAの屈託のない笑顔が新一の心にダメージを与えていることを、Aは知らない。
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フランドール - ゆうみんさん» コメントありがとうございます。そうなんですよ!いいところで話が続かない、私、いつもそうなんです。学校が忙しくて更新遅いですが、楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年7月16日 19時) (レス) id: e0624ff3f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - そうだよね,いつもいいところで話が続かない、彼女ちゃんの気持ちわかる、次回楽しみです (2019年7月14日 18時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
フランドール - 美紀さん» コメントありがとうございます。私もコナンや新一、それから他のキャラも大好きです。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: e0624ff3f8 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年7月8日 14時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フランドール | 作成日時:2019年7月6日 20時